福島の思いを受け継ぐ 元自衛官が打つ幻のそば(神石高原町)

“ポツンと”佇む飲食店をリサーチ!
リポーター・大松しんじが向かったのは、神石高原町。
山の中にポツンとある茶色い屋根瓦の立派な日本家屋「そば処 門花亭(もんかてい)」。
今が旬のそばを手打ちでふるまっています。

「そば処 門花亭(もんかてい)」 「そば処 門花亭(もんかてい)」 (C)HOME

 

店主の門(かど)さんは定年後、美容院を営む奥様を福山市に残し単身で実家に戻り、20年前まで牛小屋だった場所を、まずは地域の方の憩いの場として改装。そば店を始めました。
そんな門さんの元の職業は、なんと自衛官。驚きの経歴の持ち主なんです。

門さんが趣味ではじめた「そば打ち」。奥深き和の心「日本そば」を極めたいと、「そば処 門花亭(もんかてい)」をオープンさせました。
使うそば粉は、大正時代から残っている蔵の中で大切に管理されています。

店主の門(かど)さん 店主の門(かど)さん (C)HOME

 

門さんがそば打ちに使うそばの実は、多くの人々の思いが込められている「幻のそば」なんです。
それは、2010年、偶然めぐり会えた福島の「そばの種」。東日本大震災の2カ月前に福島の川俣町からそばのタネが神石高原町に。
その後、震災により、福島でそばを栽培することができなくなり、福島のそばは、標高が高い神石高原町で「天空のそば」と名付け受け継がれることになりました。
レインボーファームと名付けた農園で生産をしています。

「そばの種」 「そばの種」 (C)HOME

 

震災後、その実をそば粉にして福島県川俣町木屋地区に届けたそうです。
里帰りしたそば粉でそばを打ち、年越しそばができたと、福島の皆さんに喜ばれたそうです。
そんな貴重なそばの実を使い、心を込めてそばを打ちます。

「天空そば」。 「天空そば」 (C)HOME

 

地下80mからくみ上げた水を使い、福島のそばの種を使った他では食べられない極上の「天空そば」。
その味が気になりますよね。一口食べると、すがすがしさが口の中に広がります。
さわやかさを感じるのど越しに、しっかりとしたそばの味と旨味、そして甘みのある味わいです。
さらに、地元産の山芋と一緒に食べると、また一味違った美味しさです。
天ぷらに使う食材は、自家菜園で育てた新鮮な野菜に、秋の味覚の栗や、珍しい干し柿など11種類。ボリューム満点です。

ざるそば定食 ざるそば定食(1,500円) (C)HOME

 

神石高原町で、福島の生産者さんたちの思いを受け継いだ「天空そば」。
門さんの年齢もあって、一日に6人前しか打てないということで、完全予約制となっています。

他では食べられない幻の「天空そば」。その味をぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

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そば処 門花亭
広島県神石郡神石高原町高光1329
電話 090-8362-0008
完全予約制(前日までに要予約) 1日 限定6食 お昼のみ営業
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広島ホームテレビ『5up!』(2021年11月12日放送)
ひろしまリード編集部
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