【カープ道】 独自入手ネタに驚愕!カープ担当記者大集合〜2021総決算②〜

2021年のペナントレースは惜しくもBクラスで終了したカープ。そんな中、個人タイトル獲得といった頼もしい結果もあった。鈴木誠也選手が首位打者と最高出塁率の二冠に輝き、九里亜蓮投手は8年目にして最多勝のタイトルを初受賞。さらに、鯉の守護神として37セーブを挙げ、新人最多記録に並んだ栗林良吏投手には新人王の期待が高まる。今シーズンはカープにとってどんな1年だったのか? 最前線で取材するカープ担当記者たちと振り返り、記者たちならではの独自の情報を余すことなく披露してもらう。

左から「広島アスリートマガジン」真田一平編集長 「朝日新聞」辻健治記者 「サンケイスポーツ」柏村翔記者 左から「広島アスリートマガジン」真田一平編集長 「朝日新聞」辻健治記者 「サンケイスポーツ」柏村翔記者

ゲストは前回に続き、今年1月にカープ担当となった「朝日新聞」辻健司記者。カープ取材歴10年で今年編集長に就任した「広島アスリートマガジン」真田一平編集長。そして5年のカープ取材歴を持つ「サンケイスポーツ」柏村翔記者。

まず『2021 MYベストシーン』として柏村記者がいきなり選んだシーンは、<3月30日阪神戦 森下がお立ち台でモリペイポーズ披露>。「去年からぺこぱのシュウペイと似ているという噂があった中、自らサービス。森下暢仁投手ファンがさらに増えたのでは? プレスルームも大爆笑だった」という。

3月30日阪神戦 森下投手がお立ち台でモリペイポーズ披露 3月30日阪神戦 森下投手がお立ち台でモリペイポーズ披露

 

真田編集長は<6月15日西武戦 栗林投手が連敗8を止める3者連続三振>をあげた。「この一つ前の登板(6月13日オリックス戦)で、初めて負けがついた。今季負け投手になったのは唯一で、連続無失点記録も22で止まった試合。永川勝浩投手コーチに聞くと、3点ビハインドでそのまま流れていきそうだったので、準備が本格的にできてなかったらしい。そこに登板が巡ってきて失点し負け投手に。“何があっても準備していこう”ということで迎えた次の登板で、しっかり3者連続三振でゲームをしめた」という、栗林投手にとって大きな意味を持つマウンドだった。

6月15日西武戦 栗林投手が連敗8を止める3者連続三振 6月15日西武戦 栗林投手が連敗8を止める3者連続三振

 

辻記者は<9月7日 中日戦 坂倉 逆転サヨナラ3ラン>を選んだ。9回裏、2アウト1・2塁の場面。坂倉将吾選手の打球は快音を響かせてライトスタンドへ。「この日が今シーズン、カープ初のサヨナラ勝ち。マツダスタジアムの盛り上がりもすごかった。またこの試合、坂倉選手が初めて規定打席に到達。それまで隠れ首位打者みたいな言われ方をしていたが、この瞬間堂々と・・・。またお立ち台では普段冷静なタイプの坂倉選手が“最高です!!”と叫び、若さを爆発させた」と振り返る。

9月7日 中日戦 坂倉 逆転サヨナラ3ラン 9月7日 中日戦 坂倉 逆転サヨナラ3ラン

 

続いては今シーズン最も力が入った『2021記者イチオシ記事』を大公開。
辻記者が選んだのは<9月10日朝刊 見出し「止まらぬ誠也 真の4番なり」>。6試合連続となるHRを鈴木選手が放った記事。「あと1本打てば王貞治さんやR.バースさんに並ぶプロ野球記録となる前日。Webと連動して様々な情報を出して盛り上げた」。

真田編集長は<二軍にフォーカスした特集を組んだ9月号>を。「東出輝裕二軍打撃コーチに一軍で結果を出す選手の特徴を聞くと“自分の世界に入れるかどうか”だと言われた。羽月隆太郎選手や林晃汰選手といった3年目の選手は自信に満ち溢れた状態でバッターボックスに入る。いい意味にでナルシストにならないと一軍という大舞台で結果が出せない。確信はなくても自信は持たなくては。そう学んで、今日もナルシストの気持ちでのぞんでいる」と打ち明けた。

東出輝裕二軍打撃コーチの記事 東出輝裕二軍打撃コーチの記事

柏村記者は<8月7日侍ジャパン金メダル獲得>の記事をセレクト。「この日はオリンピックのアメリカとの決勝で栗林投手が9回をしっかりおさえて日本が金メダルに輝いた。サンケイスポーツでは、栗林投手は名城大学同級生の沙耶さんと去年7月結婚されたので“栗林 結婚1周年を金メダルで祝った”とひと味違う切り口で記事を書き上げた」という。

 

今シーズン苦戦が続く中、ベテランだけではなく、続々と若手も台頭。『2021 MYベストプレーヤー』は? 辻記者が選んだのは玉村昇悟投手。「高卒2年目で今年100イニング以上投げた。前田健太投手以来、若いのに6月一軍昇格以降、先発ローテーションを守り通した。
サウスポーが手薄なカープにとってはチームを助ける投球をした。また出身の丹生高校の監督からバドミントンをやらせてもテクニックがすごいと聞いたので、一度その姿も見てみたい」とも。

柏村記者は、バットや道具へのこだわりすごい鈴木選手をあげる。「いつも鈴木選手のバットを削っている職人が、ある時違う機械で削ったら、そのバットを持った鈴木選手に“あれ?機械変えた?”と聞かれたという。微調整を繰り返してどんどん成長していくすごい選手」。

真田編集長が選んだのは、大車輪の活躍をする栗林投手。「ルーティーンが異常に多い選手と聞く。大学時代は土日に試合がある時は、水曜日に必ず銭湯に行っていたらしい」とレアなネタも披露した。

『今年のカープを言葉で』表してもらうと・・・。真田編集長は<新しい力が躍動した1年>。「栗林投手や林選手が一軍で躍動する姿を見ながら、生まれ変わっていくカープを感じた」。

柏村記者は<ホップ ステップ ジャンプ>。「ジャンプに向けて若手が育っている。種まきをしてやっと実り始めた時期かな?緒方孝市監督も就任1年目はクライマックスぎりぎりの4位。そこから三連覇だった。小園海斗選手や林選手など飛躍に向けて若手がしっかり育ってきたシーズン」という。

辻記者は<雨降って地固まる>。「コロナがなかったら若手がもしかしたら試合に出るチャンスがなかったかもしれない。若手の台頭が今年のカープの1番のプラス要素」と話す。

柏村記者は「今村猛投手が今シーズン限りで引退。カピパラ三兄弟の今後が気になる」と切り出すと、真田編集長は「一岡竜司投手と今村投手のカピパラ兄弟は人狼ゲームにハマっている」と返すなど、まだまだレアすぎる情報が飛び交い続けるスタジオ。さらに柏村記者は「来年の開幕もこの3人で迎えたい」とキャスティングのオファーも忘れなかった。

 

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 11月10日放送
ライター 湯谷葉子

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