【カープ道】 秘蔵エピソードに泣ける!カープ担当記者大集合2021総決算①

クライマックスシリーズ進出に向け最後まで戦い抜いた我らがカープ。しかし結果は3年連続Bクラス。そんな中でも、熾烈な個人タイトル争いはペナントレース終盤まで繰り広げられ、鯉党を楽しませてくれた。そこで今季を振り返るべくカープ担当記者たちが大集合。最前線で取材し続ける彼らだからこそ知り得る今季の秘蔵エピソードを語ってもらった。

 

左から「朝日新聞」辻健治記者 「広島アスリートマガジン」真田一平編集長 「サンケイスポーツ」柏村翔記者 左から「朝日新聞」辻健治記者 「広島アスリートマガジン」真田一平編集長 「サンケイスポーツ」柏村翔記者

ゲストは、カープ担当5年目で『カープ道』のカープ担当者企画最多出演の「サンケイスポーツ」柏村翔記者。今年1月にカープ担当となった「朝日新聞」辻健治記者。そして、カープ取材歴10年で今年編集長に就任した「広島アスリートマガジン」真田一平編集長。それぞれ取材データを手にスタジオに集結し、<2021年カープの出来事>を振り返る。

 

 

大瀬良大地投手 大瀬良大地投手

まず3月26日マツダスタジアムでの開幕戦。佐々岡真司監督2年目シーズンのスタートで注目したのはエース大瀬良大地投手。柏村記者は「去年ケガをしてシーズン終了し、ケガ明けで開幕投手だった大瀬良投手の状態も気になった。また2年連続で開幕戦で勝利し、もし3年連続となると、80年代の北別府学さん以来。球団史上2人目の快挙だったが。エラーが絡んで…」。偉業達成を前にして残念な様子の3人。

 

 

栗林良吏投手 栗林良吏投手

翌日3月27日、今季初勝利に導いた栗林良吏投手については、開幕前に膝の手術で離脱したヘロニモ・フランスア投手の代わりに急きょ新人で守護神を務めることになったことに不安があったという。しかし柏村記者は「3月のオープン戦も7試合投げて7回無失点。1点も取られない状態で公式戦に入ってしっかりセーブをあげたので、ただ者ではない」と絶賛。またスマートなメディア対応も好感が持てると言い、「記者の向こうの読者、視聴者の方が喜ぶ情報を届けられるように考えて発言しているとのこと。人間として見習いたい」と真田編集長はしみじみ話す。

 

 

辻記者は「急にベンチの方に防護服を着た人たちがやってきて、何が起きてるんだ?と驚いた」 辻記者は「急にベンチの方に防護服を着た人たちがやってきて、何が起きてるんだ?と驚いた」

5月はチーム内で新型コロナウイルスの感染が判明し、阪神戦が中止に。マツダスタジアムで練習の取材をしていたという辻記者は「急にベンチの方に防護服を着た人たちがやってきて、何が起きてるんだ?と驚いた」という。コロナ集団感染がチームに影響を与え、交流戦最下位。今季チームに一番ダメージを与えたのはコロナ感染だと振り返る。

 

ルーキー栗林投手 デビューから14試合連続無失点新人記録更新 ルーキー栗林投手 デビューから14試合連続無失点新人記録更新

しかしチームに流れる重たい雰囲気を断ち切ったには若き鯉戦士たちの活躍。5月4日、ルーキー栗林投手が、デビューから14試合連続無失点新人記録を塗りかえると、投手陣に徐々に活気が戻り始める。

 

森浦大輔投手 玉村昇悟投手 森浦大輔投手 玉村昇悟投手

去年クリス・ジョンソン投手が退団し、左の先発投手が手薄になったところで森浦大輔投手、玉村昇悟投手の登場で、左の層があつくなった。今年先発ローテーションの一角を担う玉村投手について、柏村記者は「2019年の入団会見で“出身地の福井県で有名な越前ガニの赤よりも有名になりたい”と言ったのが印象的」といい、当初からハートの強さに期待をかけていたという。

 

この投手陣を牽引するニューフェイスとして中村奨成選手が初先発マスク。「4月25日の巨人戦。同点で迎えた9回に代打で出場し、ライトフェンス直撃の2ベースヒットを放った。バッターボックスに入る前に、選手会長の田中広輔選手に“控えで今日はヒーローになってやろう”とゲキを飛ばされた。それが力になったのでは」と真田編集長。7月7日の七夕の日には、バックスクリーンに飛び込む本拠地・初HRを放った。

 

今年の夏は、侍ジャパン金メダル獲得に日本中が歓喜に湧いた。オリンピック後、栗林投手に取材した真田編集長は「田中将大(楽天)投手からセットポジションのクセを指摘されたので、アドバイスを取り入れて後半戦に活かした」と明かす。

 

鈴木誠也選手 鈴木誠也選手

後半戦では8月、オリンピックで4番を務めた鈴木誠也選手が月間MVPを初受賞。柏村記者によると「オリンピック全5試合、節目では活躍したが3安打に終わり、悔しさを持って後半戦に臨んだ。オリンピック後の休日返上で練習参加。その練習の成果が現れたのでは。本人は1ヶ月調子が保てたのが嬉しいと語っていた」と話す。

 

床田寛樹投手 床田寛樹投手

月間MVPといえばもう一人、床田寛樹投手。9月21日の巨人戦、三振の山を築き、無失点に抑える圧巻のピッチングを見せた。辻記者は「交流戦の時に“スライダーが曲がらない”のを二軍で調整し、思いっきり腕を振る意識が自分の体の感覚とうまくマッチしてくるようになった。この試合は自分で志願して完封。意地を見せた試合だった」と力を込める。9回を迎えても球威は衰えず、最後のバッターを三振で仕留めてゲームセット。うれしいプロ初完封勝利を飾った。

まだまだ続く、記者たちの秘蔵エピソード。次回の後半戦へ続く!

 

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 11月3日放送
ライター 湯谷葉子

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