究極はトリプルスリー!中村奨成 高みを目指し一軍定着を狙う
「3割30本30盗塁できたらマジで最高」と目を輝かせるのは、プロ4年目の中村奨成(しょうせい)選手。「この数字を達成したいという思いで、プロの世界に入ってきた」と高い目標を頼もしく語る。
『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、来シーズンプロ5年目を迎える中村選手をフカボリ。プロ初ヒット、初HRを記録するなど初めて尽くしの1年となった今シーズン感じた自身の成長と、キャッチャーとして目指す理想像を聞いた。
※データはすべて11月6日O.A.時現在 ※以下、敬称略
5月19日の巨人戦、新型コロナウイルス集団感染というチームのピンチだったとはいえ、回ってきた自身にとっての大チャンス。プロ初のスタメンマスクで、プロ初打点も放ちチームを勝利に導いた。「キャッチャーのスタメンがあの日初めてで、しかも(九里)亜蓮さんと組むということで緊張したが、試合を作れたというのが自信になったし、忘れられない試合になった」と振り返る。
また、「首を振られる回数も多かったので、意思疎通ができない部分ではあった。二軍で組んでいた時はある程度サインにうなずいてもらったことはあったが」と、キャッチャーとして一軍と二軍の違いを明確に感じ取った試合でもあった。
キャッチャーとして経験を積んだ一方、打撃面での成長も見られた。打率.283、HRも2本放つなど大器の片鱗を見せつけた。しかし一軍での出場はほとんどが外野手として。「“キャッチャーとして出たい、キャッチャーとして出たい”という思いにはなっていたが、シーズン半分以上が外野。理想はキャッチャーで一軍の正捕手だが、ぶっちゃけ試合に出たい。外野でもいいのでレギュラーを取れるようにやっていきたい」と明かす。
捕手として 外野手として
さらなる飛躍を誓う来シーズンに向け、今秋はみやざきフェニックス・リーグに参加。15試合中11試合に外野で出場し、打率.271をマークした。「一軍での課題もたくさん出たので、そういった面を来年のためにフェニックス・リーグで克服したかった。バッティングに関しても、一軍で安定して打てるようにやっている。来年はチャンスになると思うので、そこを何とか掴みたい」と意欲を見せる。
カープは2021年ドラフトで、中村健人<トヨタ自動車>と末包(すえかね)昇大<大阪ガス>という即戦力の右の大砲を2人獲得。チーム内での競争が待っている。それでも「自分がやることは変わらない。4年先に入っているし。そこの負けん気というのがあるので、先にレギュラーを取ってやるぞという思いは常に持っている。負けないようにしっかりがんばる」と力を込める中村の表情は自信をも感じさせる。
来季のさらなる飛躍を誓う5年目を迎える来シーズン。期待するのは攻走守でグラウンドを駆け回る姿。「3割30本30盗塁」という自身の高い目標にも、番組MCのロザン・宇治原史規は「ポテンシャル(第99回全国高等学校野球選手権大会で1大会最多本塁打記録)を見てきた者としては、期待する。できるんじゃないかなー」とエールを送った。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 11月6日放送
ライター 湯谷葉子