【カープ】 ポテンシャルはマエケン超え⁉︎ 期待の高卒ルーキー小林樹斗が目指す一軍への道
「1年目から1試合でも多く一軍のマウンドに立って、必ず勝ちに繋げられる投球をしたい」。
入団会見でそう語ったのは、高卒ルーキーの小林樹斗(こばやし たつと)投手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、期待のルーキー小林投手をフカボリ。未来のエースを目指す小林投手の今に迫る。
※データはすべて10月2日O.A.時現在 ※以下、敬称略
小林樹斗(こばやし たつと)投手智弁和歌山高から昨年2020年ドラフト4位で入団した小林。栗林良吏を筆頭に即戦力が中心となったドラフトにあって、支配下でただ一人高校生で指名された。開幕から一軍に抜擢された即戦力投手たちに対し、カープが掲げる高卒1年目投手の育成方針のもと、体づくりに重きを置く強化指定選手として過ごしている。プロ1年目、ここまでを小林は「去年のドラフトから思うと早いなというのがあって、本当に毎日充実した日々を送れていると思う。そしてプロに入ってレベルの高さというのも感じているので、自分はまだまだだなと感じています」とやや控えめに振り返った。一方で、「1年目でまだまだ身体もできていない部分もありますし、トレーニングの量も走る量も多かった。それをどう実戦につなげていくかを常に考えながらやっていました。」と将来を見据えた身体作りを行ってきたと手応えも口にした。
プロ1年目のここまでを語る小林投手ウエスタン・リーグ初登板は4月3日。ここ数年、高卒で頭角を現わした先輩たちと比べてかなり早いデビューを果たすと、早速152km/hのストレートとバットの手元で鋭く変化するカットボールを武器に、ここまで8試合に登板してきた。
4試合目の登板となった6月9日の阪神戦では、今シーズン一軍でHRを放っている陽川尚将に甘くなったボールを捉えられ、ライトポール直撃の2ランHRを浴びた。これまで右バッターにライト方向へスタンドまで運ばれた事はなく、そこでコントロールの大切さを痛感したという。「あそこまでもっていくんだというのは本当に感じました。もちろんストレートのキレや威力も大切だとは思うんですけど、それよりも制球力を重点的にやっていかないといけないと思いました。」
以降はすべて先発で登板し、2失点以内に抑えるピッチングを見せ、前回は最長となる8回を投げるなど、現在の防御率は3.30。一軍への歩みを進めている。
小林幹英二軍投手コーチは「すごくいい素材だと思う。何より強い真っ直ぐを投げられる。性格もすごく素直だし、伸びしろのある選手」と大きな期待を寄せる。となると、高卒で入団しエースへと成長を遂げた前田健太との比較が気になるところ。「センスはマエケンの方がある。ただ素材と体のパワー的なものはマエケンよりもあるかもしれない」と評価する。ただ「マエケンみたいになる必要はない。コツコツと“小林“という選手を作って行けばいいし、それが結果チームの軸になっていくピッチャーになればいいと思う」と親心をのぞかせる。
未来のエースへと続く大きな土台となるプロ1年目。「(入団当初から掲げてきた)目標はぶらさず1日1日を大切にやっていきたい。そして1日でも早く一軍に上がりたいという気持ちはあるのでがんばりたい」と力を込める小林。前田健太も立っていない高卒1年目での一軍マウンド。残りわずかとなったシーズンだが、目標に向けて突き進む。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 2021年10月2日放送
ライター 湯谷葉子