バスと電車と足で行くひろしま山日記 第2回 東郷山の「森の巨人」㊤

やっと会えた四本杉。根元で一体になっている

 

日本全国の国有林から、次代に残したい巨樹や巨木を林野庁が選んだ「森の巨人たち百選」。広島県から唯一選ばれているのが、東郷山(標高977メートル)=広島市佐伯区湯来町=の山腹にある「四本杉」(しほんすぎ)だ。
広島市域の最高峰でもあり、前々から気にはなっていたのだが、基本ルートだと同じ道を往復しなければならないのが気に入らず、後回しになっていた。
最近、知る人ぞ知る滝をめぐりながら登れるルートがあることを知り、行ってみることにした。

 

 

今回利用した交通機関 *時刻は休日ダイヤ

行き)
①アストラムライン(おとな片道370円)
新白島(9:30)→大原(9:56)

②フォーブルバスくすの木台戸山線(おとな片道590円)
大原(10:02)→戸山車庫(10:28)

帰り)
①広電バス(おとな片道740円)
大森(15:25)→五日市駅南口(16:20)

②JR山陽線(おとな片道200円)
五日市(16:30)→横川(16:41)

 


スタートは滝めぐりから


アストラムライン大原駅の西出口階段を降りるとすぐ目の前がバス停。
ほどなくやってきた、緑が丘団地行きのコンパクトなバスに乗り込む。地元のタクシー会社が運行する路線バスで、主要駅と団地などを結ぶ15の路線のひとつだ。
初めて乗るバス路線。久地からくすのき台団地を経由し、吉山川に沿ってのどかな農村風景が広がる山間を西に進む。
ここ戸山地区には、とてもおいしいけれど買えるかどうかは行ってみないとわからないという(予約も難しいらしい)ベーカリーや評判のいいスイーツのお店もあるけれど、マイカーを持たない身にはちょっとハードルが高い。

戸山車庫で下車して県道を渡ると「東郷山登山口」の手作り標識。法隆寺近くの建物の壁には「戸山の見どころ案内」のイラスト看板が掲げてある。左の奥に東郷山、そこに通じる道沿いにまきのおの滝、五段返しの滝の表示。まずは舗装路を進む。

戸山地区の案内看板。登山ルートは左端付近 戸山地区の案内看板。登山ルートは左端付近 (C)HOME

 

滝への案内標識に沿って舗装道路を進む 滝への案内標識に沿って舗装道路を進む (C)HOME

 

20分ほどで左手にまきのおの滝が現れた。落差は10メートルほど、水は右手奥から流れ落ちてくる。
平安時代の造園作法書「作庭記」にある滝の作り方の種類のうち、滝のおもてを少し横に向ける「稜落」(そばおち)の様式を守っているかのようで美しい。

まきのおの滝 まきのおの滝 (C)HOME

 

さらに10分ほど歩き、林道の終点の橋(大谷一号橋)を渡ったところにメインの五段返しの滝が立ち上がる。
こちらは真正面、約15メートル上から、水しぶきを上げて花こう岩を流れ落ちてくる。

五段返しの滝。落差もあり見ごたえ十分 五段返しの滝。落差もあり見ごたえ十分 (C)HOME

 

確かに五段ほどはありそうで、なかなか見事な段瀑(だんばく)だ。戸山にこのような風情と迫力のある滝があるとは知らなかった。
狭いながら舗装された道が通じているので、足に自信がない方は車で行くこともできる(道が狭いので軽かコンパクトカーをお勧め)。

さて、滝見物を終えるといよいよ山登り。橋を戻って左の登山道に入る。
(長くなるので、㊦に続く)

 


おことわりしておくが、今回の登山ルートの前半はあまりメジャーではない。尾根に出るまでの道はわりとしっかり踏み跡がついているものの、分岐等で少しわかりにくいところもある。
地図の読図力に自信がない方は(私もそう)、「YAMAP」(ヤマップ)や「YamaReco」(ヤマレコ)などのGPS機能のついた登山アプリをスマホにインストールしておくと安心だ。事前に設定したルートを外れると警告もしてくれる。
登山アプリについては、また稿を改めて紹介します。

 

五段返しの滝までは、安佐南区役所が公開している「あさみなみ散策マップ 吉山ルート」のうち、「もうひとつの憩いの空間ルート」が詳しい。
今回見逃した、江戸時代に築かれたという農業用水路も興味深い。
マップのPDFファイルのダウンロードはこちら

 

 

ライター えむ
還暦。50代後半になってから本格的に山登りを始めて4年ほど、中四国の低山を中心に日帰りの山歩きを楽しんでいます。できるだけ公共交通機関を利用しますが、やむを得ない場合に時々レンタカーを使うことも。安全のためトレッキングポールは必ず携行。年齢のわりに歩くのは速い方です。
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