秋の彼岸に咲き誇る “葉見ず花見ず” のヒガンバナ

ヒガンバナ (C)HOME

夜風も涼しくなり、秋のお彼岸になりました。

「お彼岸」は、仏教でご先祖様を供養し感謝を捧げる期間と言われています。
春分の日と秋分の日を「中日(ちゅうにち)」として、前後3日間、合計7日間がお彼岸の期間。
それぞれの初日を「彼岸の入り」、終日を「彼岸のあけ」といいます。

今年の秋分の日は9月23日(中日)、お彼岸は、9月20日(彼岸の入り)から26日(彼岸のあけ)となります。

 

この時期、三次市吉舎町では、多くの「ヒガンバナ」が真っ赤に咲き誇っています。
今年は開花が早く、彼岸の入りに合わせるかのように見ごろを迎えました。

 

ヒガンバナは中国から渡来したといわれ、仏教用語で赤い花を意味する「マンジュシャゲ」とも呼ばれています。
古くからせき止めなどの薬用に用いられてきました。

赤い花に目を奪われがちですが、実は植物にとって大切な “葉っぱ”がありません。
ヒガンバナは、花が咲く時期と葉が出る時期がわかれているためです。
満開のヒガンバナが枯れたあと、11月ごろに葉だけが出てきて、ひっそりと光合成を始めます。
そして、冬から春の時期にかけて、葉で集めた栄養を球根に蓄え、秋になると花だけを咲かせるのです。

そのことから付いた呼び名が “葉見ず花見ず”。

 

日本の秋の景色を彩るヒガンバナ。
寿命は短く、1週間ほどで枯れてしまうそうです。
ヒガンバナが色あせると、深まる秋の足音が近づいてきます。

 

 

ひろしまリード編集部

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