【純手打うどん香房】本場・香川で修業した店主が作る小麦の味と出汁の香りを追求した一杯|広島市西区

つるっとした喉ごしと小麦の香りが多くの人を魅了する“うどん”。

広島市西区井口の「純手打うどん香房」は、手打ち・手切りなど、手で作ることにこだわったお店です。

今回は、うどん作りのこだわりやおいしさの秘密を店主の多賀靖人(たが・やすひと)さんにうかがいました。

 

かしわ天湯だめうどん3個(中盛り)

かしわ天湯だめうどん3個(中盛り)895円

 

お客さんのほとんどが頼むというのが、湯だめうどんとかしわ天がセットになったメニュー。

中でも、かしわ天が3個ついた「かしわ天湯だめうどん3個(中盛り)」は、特に人気なのだそう。

なお、並盛り(1玉)も中盛り(1.5玉)も同じ料金で提供されます。

 

 

「あたたかいうどんはコシでごまかせない分、麺の味をしっかり楽しむのに適している」と、多賀さんは言います。

そんなうどんは箸でつかむともっちりしており、噛むとむぎゅっとした食感。

噛むごとに小麦の香りが鼻を抜け、飲み込んだあとの余韻もひとしお。手打ちだからこそ立つ、香りの良さが続きます。

 

 

そんなうどんをよりおいしくしてくれているのが、うどんにつける出汁。

昆布は北海道の道南昆布を、いりこは香川県息吹島の息吹島いりこを使っています。

先代が修業していた香川県丸亀市のうどん店が問屋も営んでいたため、最初はそこから素材を仕入れていましたが、味をアップデートしていく過程で、違う業者から仕入れるようになったのだそう。 

「海水温度の上昇で良い昆布の仕入れが難しくなっていますが、長く付き合いのある昆布店から質の良いものを仕入れています。また、讃岐うどんといえば息吹島のいりこは欠かせません。味の調整は続けているものの、基本に忠実に作った出汁です。微調整をしながらも約20年、同じ味を提供しています」と、多賀さん。

出汁に添えられている薬味は、生姜、青ネギ、白ごま。

生姜はお店ですりおろしているそう。「大変だけど、やっぱり香りが良いので。このひと手間があるとないでは味が違ってきます」と話す多賀さんは、薬味も手作業にこだわっています。

 

 

セットのかしわ天は、多賀さんの父である先代が営んでいた「讃岐うどん 凡蔵(ぼんくら)」から現在の「純手打うどん香房」にリニューアルするタイミングで誕生したメニューです。

メニューや店名などを一新することを検討した際に、うどんと並ぶメインメニュー「親子丼」を作ることが決まったのだそう。

「香川県の地鶏、讃岐コーチンを使って親子丼を作ろうとしたのですが、業者から生産量が限られるためモモ肉だけで販売することは難しいと言われました。ただ、胸肉とのセットなら販売できるとのことだったので、胸肉を使った“かしわ天”を作るのはどうかとなったんです」と多賀さんは当時のことを教えてくれました。

現在お店で提供されているメニューに讃岐コーチンは使われていませんが、かしわ天の人気は今も変わっていません。

サクッとした衣と塩のシンプルな味付けのかしわ天。胸肉ならではのぱさつきもなく、ジューシーながら軽さも感じられます。

 

小麦・出汁・手打ちと手切りにこだわった製法

 

うどんに使う小麦粉は、多賀さんが修業していた香川県高松市の「池上製麺所」で使っていたものと同じものを香川県の製粉会社から仕入れています。

麺にしたときに、しっかりと小麦の味や香り、うまみがあることを重視して選んだそう。

「うどんは“食感”をとるか“味”をとるかの二択。うちは味をとったので食感(コシの強さ)は損なわれますが、その分小麦の良さを感じてもらえるはず」と、多賀さんは話します。

多賀さんは香川県の中部に位置する高松市生まれですが、香川県でも西の地域である観音寺市で暮らしていたことから、香川県の西の地域に親しみのある味を提供しているのだそうです。

 

 

そんな多賀さんは、「手作り」にこだわっています。

先代が修業していたうどん店も足踏みこそ人がしていたものの、それ以外の工程は機械で作っており、また、多賀さんが修業していたお店も切る作業は機械だったのだそう。

味や食感が均一になるなど機械を使うことにメリットがあるとしながらも、「僕は手作業にこだわりたいんです。包丁で一本ずつ切るお店は香川県でも少ない。けど、手作業でしか出せない味ってやっぱりあるんですよね」と、手作りへのこだわりを教えてくれました。

 

 

生地を寝かせるのも専用の冷蔵庫を使用せず、自然な温度に任せます。

そのため、季節によって水と塩の温度を調整し、長年の経験からその時期に適した麺を作っていきます。

手ごねの弾力、手切りのふぞろい加減……手づくりだからこその魅力が詰まった一杯がいただけます。

そんな多賀さんおすすめのメニューは「しょうゆうどん(温)」。

温かいうどんは冷たいうどんに比べてコシがない分、麺自体の味が重要です。

うどんの素材を楽しむには、まず、うどんに生醤油をかけただけのシンプルなメニューを楽しんで欲しいと多賀さんは言います。

 

冬季限定!おでん3種盛り

純手打うどん香房 おでん3個セット 595円

 

こんにゃく、大根、玉子、天ぷら(丸天)の中から3種類選べる「おでん3個セット」は、冬の時期にしか食べられないメニューです。

以前は通年セルフで提供していましたが、コロナ禍をきっかけに注文制、冬期限定に変更。

 

 

おでんをはじめた当初から、「こんにゃくだけは食べないと!」という常連さんもいるほど、人気なのがこんにゃくです。

こんにゃく店から仕入れた生芋こんにゃくは、噛み応えのある食感で味の染み具合が良いのが魅力。かかっているのは、特製みそダレです。

香川県の味噌に香房の出汁を加えてゆるめた味噌は、白ごまの香りもプラスされ、こんにゃくの香りと相性抜群。

12月から2月くらいの期間、店頭に出るそうです。

 

 

なお、おでんはファーストオーダー時のみ注文可能なので、ご注意ください。

※提供期間は変更になる場合があります。終了時期は公式SNS(https://www.instagram.com/udon.kaboh/)でお知らせがあります。

 

いつまでもおいしいうどんを作り続けたいと語る店主の想い

 

元々は、先代である父親の転勤がきっかけで広島に来た多賀さんは、うどんとは関係のない会社員をしていたのだそう。

しかし、家族の体調不良をきっかけに、父親が切り盛りしていた「讃岐うどん凡蔵」を手伝うようになりました。

そして、26歳のときに香川県で修業することを決意。

「讃岐うどん凡蔵」でうどん作りを手伝いながら、香川県で修業したのち、2018年7月に父親の後を継ぎ「純手打うどん香房 広島本店」として再出発しました。

自分の作るうどんがおいしくて毎日食べたいと思う、と話す多賀さん。

「自分がおいしいと思うものを出して、お客さんがおいしいと言ってくれることが嬉しいんです。この日々を続けていくためにも、自分が健康でいて、いつまでもおいしいうどんを作り続けたいです」

やりがいの大きさが今の多賀さんの原動力となっており、これまで支えてくれたお客さんのために、店頭に立ち続けたいと語ります。

「純手打うどん香房」には、オープンからずっと通っているお客さんも多数。地域に愛されていることが伝わります。

お客さんの子どもの成長を一緒に感じたり、周年をお祝いしてくれる人のあたたかさに触れたりすることも多いのだそう。

これからも、「純手打うどん香房」の歴史は続きます。

 

純手打うどん香房の基本情報とアクセス

純手打うどん香房・外観

 

広島電鉄「井口」の目の前にあるのが「純手打うどん香房」。

駐車場はテナント共有となっているため、空いているスペースに停めてください。また、近くに第二駐車場もあります。

 

純手打うどん香房の基本情報

純手打うどん香房・内観

 

<所在地>
広島市西区井口明神2丁目1-19

<TEL>
082-276-1388

<営業時間>
昼 11:00~14:30(L.O 14:15)※平日のみ小学生未満の入店は12:45~
夜 月・水~金、祝前日 17:45~21:00(L.O 20:30)、土日・祝日 17:30~20:30(L.O 20:00)
※昼の営業で麺切れになった場合夜の営業はお休み

<定休日>
火曜・第二第四月曜の夜 ※麺切れ次第終了

<駐車場>
店前11台

<支払い方法>
現金のみ

<公式SNS>
https://www.instagram.com/udon.kaboh/

 

ライター/丸山希
※紹介している内容は2025年12月取材時点のものです。公開後内容が変更している可能性があります。

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