海外から注目!三段峡のオオサンショウウオ その理由は?|地球派宣言

安芸太田町の三段峡。

真っ暗な川の中で探しているのは、国の特別天然記念物、オオサンショウウオです。

世界最大の両生類で、山あいの清流などに生息しています。

「生きた化石」といわれるほど珍しく、三段峡を中心に活動するNPO法人「さんけん」が定期的に調査しています。

 

オオサンショウウオ(資料映像)

 

調査の理由について、NPO法人「さんけん」の本宮炎理事長は「目撃情報はあるがどれくらいいるか、どういった生息状況というのがわかってなかったので、ずっと調査を行っています」と話します。

 

NPO法人さんけん 本宮炎理事長

 

今回の調査には、オオサンショウウオに詳しい安佐動物公園の元飼育技師、田口勇輝さんとアメリカで研究する大学教授らも参加しました。

本宮さんによると、オオサンショウウオは、日本とアメリカ、中国にしか生息していないそう。

そのなかでも三段峡のように一般の河川で見ることができるのは日本だけで、海外の専門家から注目されているのです。

 

調査に参加するアメリカの専門家ら

 

アメリカ・ウィンゲート大学のシェム・アンガー教授は「特別天然記念物に指定されているような生き物がどういうふうに保全されているのかを見に行きたいと思って調査に参加した」と話します。

 

アメリカ・ウィンゲート大学シェム・アンガー教授

 

調査を進めると岩の下に隠れていたオオサンショウウオを発見しました。

確認すると、3年前に捕まえたことがある個体でした。

長さや重さをはかり、さらに詳しく観察していきます。

 

オオサンショウウオの長さを計測

 

オオサンショウウオ生態保全教育文化研究所の田口勇輝所長は「こっちの前足は4本指があるが、反対側は3本しかない。どこかのタイミングでかみ切られてなくなっている。このオオサンショウウオはけんかっ早いというかアグレッシブなのかもしれない」と話します。

 

指が3本しかないオオサンショウウオ

 

しばらくして、2匹目のオオサンショウウオを発見。

これまで捕獲されたことのない新しい個体が見つかりました。

新発見の個体には記録用のマイクロチップを埋め込み、大きさや傷などを記録していきます。

田口さんによると少し痩せているそうです。

 

オオサンショウウオ生態保全教育文化研究所 田口勇輝所長

 

この日はおよそ3時間半の調査で4匹を捕獲。

大きさなどを確認した後、川に戻されました。

広島の調査に同行したウィンゲート大学のシェム・アンガー教授は「川で巨大な魚を見るのは本当に楽しい。貴重な生き物が野生で生息していることに感動した。次の世代も存続し続けてほしい」と感想を口にしました。

 

捕獲されたオオサンショウウオ

 

調査を終えたNPO法人さんけんの本宮炎理事長は「当たり前にオオサンショウウオが住んでいる川が、実は世界的に見るとすごく貴重だということをたくさんの方に知っていただいて、これからも皆さんが三段峡を大事にしなくてはとか守らなくてはと思ってもらえたらと思います」と話しました。

 

オオサンショウウオを調べる本宮さん

 

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2025年11月12日放送)

SDGs

 

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