「広島の歩き方」vol.29前編 長年愛される老舗&呉を代表する企業をご紹介 | 夕呉クルーズを目指して歩きます
小嶋沙耶香アナウンサーが『地球の歩き方 広島』を片手に、広島をゆるりと散策する「広島の歩き方」。
新章の舞台は呉市。
1日1便のみ・艦船を見ることができる「夕呉クルーズ」に乗るべく、JR呉駅から呉中央桟橋ターミナルを目指します。
今回の目的は夕呉クルーズ
【森田食堂】
JR呉駅周辺を散策します。
JR呉駅前は現在再開発中。大型複合施設は2027年4月の開業を目指しています
早速、営業中の食堂を発見。良心的な価格のメニューに心惹かれ、店内へ。
たまご焼き150円、うどん350円など、庶民の強い味方な食堂
「『ピタニュー』をいつも見ている」とのことで、取材交渉もスムーズでした
「森田食堂」は創業112年の老舗。
最近ではSNSを見て、広島県外から足を運ぶお客さんが増えているそうです。
お店を切り盛りする森田鈴子さん
約20品のおかずから、お客さんが食べたいものを取り出すセルフサービススタイル。
森田さんのイチオシは湯豆腐。音戸産のいりこだしと薄口しょうゆで味付けをした優しい味わいの一品。
うどんのようにお汁も飲むことができます。
湯豆腐(300円)
昔から取引のあるお店から信頼できる食材を仕入れていると話す森田さん。
まちの方々とも支え合いながら、どこかホッとするような、ぬくもりのある味を届けています。
【中元本店】
ラムネの製造や販売を手掛けている「中元本店」へ。
「大和ラムネ」ののぼりが目を引きます
大正14年創業の中元本店。「得意分野をいかしていきたい」と話す5代目社長の中元裕子さん
「大和ラムネ」や「大和ラムネのらむね」といった戦艦大和にちなんだ商品も手掛ける中元本店。
実は戦艦大和にもラムネ製造機が搭載されていたそうで、消火設備で使用する二酸化炭素をラムネ作りにいかしていたそうです。
新商品「大和ラムネのらむね」を試食させてもらいました
飲料だけではなく、漬物づくりもおこなっているそう。
今回特別に、初代社長の自宅で漬物をいただきました。
漬け物工場も見学
広島菜づけが中元社長のおすすめ
先代の遺志を継ぎ、輪を大切にしながら事業を続けていきたいと話す中元社長。
これまでの伝統を守りながらも、中元本店の新しい挑戦は続きます。
【株式会社ダイクレ】
呉中央桟橋ターミナルに向かって歩いている途中、「ダイクレ」と描かれた大きな建物を発見。
小嶋アナいわく「呉市を代表する企業の一つ」なんだとか。
取材を申し込むために走る小嶋アナ
取材許可をいただき、中へ入ります。
株式会社ダイクレは、グレーチングを製造している会社。
すきまが細いものなど、設置する場所に適応したグレーチングの製造をしています。
街でよく見るこの格子状の製品がグレーチング
山本貴社長に会うことができました
ダイクレは創業74年。
創業者の山本茂さんが、戦後、造船所で働いていた時に海外から入ってきたタンカーに鉄の格子が敷いてあることに気づいたそう。
当時の為替は約360円。海外から購入するとなると高額のため、自分達でつくることにしたのが、ダイクレの始まりです。
製造機械も含めてつくったダイクレ。まさにグレーチングの先駆者です
さらに、新しい挑戦をスタートさせたそうで……
「呉冷麺のお店を、東京の神田にオープンさせました」
呉という名前を世に広めたくてお店を作ったと山本社長は話します。
「呉門 神田神保町店」が10月7日にオープンしたそう
【ダイクレの工場見学】
山本社長と一緒に、社内や工場を見学しました。
まずは腹ごしらえ、ということで社員食堂へ。
社員に声をかけてほしいとこぼす山本社長
続いて、新商品を見せてもらいました。
斜面に施工し水が溢れるのを防ぐ「アフレンナー」と、落ち葉が入らない「ハイランナー」。
自然災害などに対応するべく、製品も進化を遂げています。
商品名が広島弁なのもユニーク
そして、呉第二工場へ。
ダイクレ 呉第二工場
旧呉海軍造兵部第九工場だった建物で、外壁には砲弾の跡が残っています。
戦火に巻き込まれながらも建物は残り、今はダイクレの亜鉛メッキ工場として稼働しています。
外壁にある弾痕
グレーチング自体は、このレンガ造りの工場の隣の建物で製造されています。
製造工場の中
仕上げの溶接は人が行うそうで、職人技が光ります
街でグレーチングを見ると、自分が手掛けたものかが分かると話す職人さん。
積み重ねてきた技と誇りが、これからも人々の足もとを、そして暮らしを支え続けていきます。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2025年10月23日、27日~29日放送)
ライター:神原知里
※この記事の情報は番組放送時点のものです。情報は変更になる場合があります。
