【希少種も】広島市安佐南区を流れる古川で秋のトンボ探し 「災害前より減った」その理由とは?|地球派宣言
広島市安佐南区を流れる古川。
定期的にトンボの調査をしているのは市民活動グループ「古川トンボしらべ隊」のメンバーです。
まず、見つけたのは、「マユタテアカネ」。
事務局長の黒岩さんは「アカトンボの仲間で、特徴は顔の鼻の部分に黒い点があること。顔をみればすぐにわかるトンボ」だと話します。
マユタテアカネ
古川では県内で確認されている98種類のトンボのうち、50種類のトンボを見ることができるそう。
その中には貴重な種類も数多く確認されています。
古川トンボしらべ隊 黒岩事務局長
続いて見つけたのは「ミヤマアカネ」。
はねに褐色の帯をもち、成熟すると縁紋(えんもん)と呼ばれる場所が赤くなるそうです。
メスとオスでは体の色も異なります。
黒岩さんは「絶滅危惧種ではないが比較的少なくなってきていて全国的にも減っているトンボで、保護しようという活動が里山でされている」と話します。
ミヤマアカネ
さらに上流に行くと、珍しいトンボと会えました。
「ナツアカネ」というアカトンボの仲間です。
黒岩さんによると「鼻の頭の方まで真っ赤になる非常にきれいなトンボで、基本的には流れのある川ではなく田んぼや湿地に近いところに生息している」のだそう。
なぜ、川にこうしたトンボが生息しているのでしょうか。
黒岩さんは「古川には自然豊かな場所が残っていて、いろんな環境があるのでいろんなトンボがすめる」と解説します。
ナツアカネ
さらに進んでいくと・・・。
「ハグロトンボ」を見つけました。
黒岩さんは「ハグロトンボは体が成熟するまでは林や森の中で一旦避難して、成熟したら川に戻ってくるトンボなので、川の近くに草や森があるのはトンボにとっても必要な環境」といいます。
ハグロトンボ
季節ごとにさまざまな種類のトンボが生息する古川。
11年前に起きた広島土砂災害では壊滅的な被害を受けました。
現在は復旧され見た目は元通りになっていますが、トンボの数は減っているといいます。
「いまヌートリアやアメリカザリガニなど、外来の生物も増えてきている感じがあります。外来種の影響はあろうかと思います」と黒岩さんは話します。
古川
トンボを通して自然を見守り続けている古川トンボしらべ隊のメンバーたち。
来年春にトンボの最新状況をまとめた冊子をつくり、近隣の公民館や図書館、小中学校などに配布する予定です。
古川トンボしらべ隊のメンバーたち
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2025年10月22日放送)