【カープ】異例のシーズンに臨む 鈴木誠也選手の想い
「ようやく開幕が決まったなという気持ち。そこに向かってしっかりやっていくだけ」
目を輝かせるのは、主砲・鈴木誠也選手。6月19日が開幕となった今、まずはこの選手に話を聞かなくてはならないだろう。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、今や名実ともにカープの顔となった鈴木誠也選手を直撃。まもなく始まる異例のシーズンへの想いを聞いた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、開幕日が決まらない中、1ヶ月以上も続いた分離練習。「これから先、分離練習というのがあるかどうかは分からないが、なかなかない貴重な時間だったと思う。限られた時間の中で自分のやれることをしっかりやって、家でゆっくりする時間もしっかり取れたので、プラスに考えて良い方向に進むようにやっていた」と振り返る。
新婚でもある鈴木誠也選手。新妻とどのように過ごしたかについて聞かれると、少し間を置いて、「滅多にない時間ではあったので、のんびり話をしたりして過ごした」と表情をゆるませた。
オフシーズンであっても練習漬けで休みなく過ごしていた鈴木誠也選手にとって、リラックスできる貴重な時間であったことが十分うかがえる。
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広島県の緊急事態宣言解除を受けて、5月21日から投手野手そろっての集合練習へ歩みを進めたカープ。分離練習ではできなかった実戦形式の練習が増えた。
「今の段階で言えば、どのぐらい自分が対応できるか?という感じで打席に入っているのだが、やっぱりそう簡単には打てない。課題をみつけていって、開幕までにはしっかりと対応できるように、できるだけ打席をもらって慣れるようにしている」と、ピッチャーと対峙する感覚を呼び戻そうと試行錯誤する。
とは言え、「自分でもある程度どうしたらいいか分かっている。その中で一つ一つ引き出しを使っていって、ハマるものがあればそれを続けていくとういう形になると思う。今は何が当てはまるのか実戦の中で試しながらやっている」と、貫禄たっぷりだ。
当初の予定(3月20日)からおよそ3ヶ月遅れ、史上最も遅いスタートとなるプロ野球。無観客での開幕が決まり、セ・パ交流戦もオールスターゲームも史上初の中止。試合数も143から120に削減された異例のシーズンについて、カープの4番・鈴木誠也選手は、「ぼくは自分の記録を思ってやっているわけではないので」と前置きした上で、「今年はクライマックスシリーズがあるかないかわからない状態。本当に優勝したものだけが日本シリーズに行けると思うので、そこを目指して自分のやれることをしっかりやりたい」と、力を入れる。
また、中止になった“夏の甲子園”にも触れ、「いろいろあって、悲しんでいる子たちもたくさんいると思う、中には“もう野球いいや”って子もいるのでは? プロ野球が始まって、プロ野球を見てもらって、また“野球がやりたいな”と思ってもらえるようなプレーを1つでも多くできればいいと思う」と、高校球児たちへのエールも忘れない。
広島ホームテレビ
『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00)5月30日放送
ライター 湯谷葉子