【なぜ?】海の生き物「エイ」 広島県内で目撃相次ぐ|地球派宣言
広島市を流れる旧太田川。見慣れないエイが泳いでいました。
魚の群れが来てもお構いなし。砂の上で何かを探しているように見えました。
動画は、広島市中区と西区を結ぶ三篠橋(みささばし)の上から撮影されました。

なぜ、川にエイが現れたのでしょうか。
約400種類の生き物を展示している廿日市市の宮島水族館で動画を見てもらいました。
魚類担当の蘆田(あしだ)さんは、「河口域で出産したアカエイの子どもが川に上がってきていると思う」と話します。

アカエイは瀬戸内海に生息する魚で、赤みを帯びた体をしていることからその名が付いたといわれています。
そのアカエイは川で何をしていたのでしょうか。
蘆田さんは「生まれたばかりのアカエイは浅瀬の方がエサが取りやすいので、(川の)上の方に上がってきているのだと思う」といい、「川の環境が良くなってエサが増えていることもあるのではないか」と推察します。

見た目は愛くるしい姿をしていますが、注意する点も。
長靴をアカエイの上に置いてみると……尾びれの尾部の毒針で刺しています。
蘆田さんは「砂の中に潜っているアカエイを誤って踏むと、刺される可能性があるので注意が必要」と話します。

アカエイだけではありません。
海一面を覆っているのは大量のナルトビエイ。
体長は大きいもので1m。色鮮やかなエイの群れは、何かの模様のようにも見えます。
撮影したのはドローンを使った釣りの映像を自身のYouTubeチャンネルに投稿している栗山実(くりやま・みのる)さん。
海の上で水しぶきが上がっているのを見てドローンを飛ばしたそうです。
栗山さんは「群れが非常に多かったので、じゅうたんを海面に敷き詰めたような状況」だったと話します。

ナルトビエイは暖かい海にすむ魚です。
アサリなどの二枚貝を好むため、養殖をしている所では食害が問題になっています。
栗山さんは「周囲を見渡したら結構散らばっていたが、先頭の群れを追尾する形で集まってきて大きな群れになった」と話します。

瀬戸内海で大量に目撃されたナルトビエイ。
宮島水族館の蘆田さんは、今年は特に目撃情報が相次いでいるといいます。
その理由について、「ナルトビエイは日本にそんなにいなかったが、水温が上がってきてすみやすくなっている。二枚貝が大好物なので、食べて次の場所に移動して食べての繰り返しで、暖かい海を移動していると思う」と蘆田さんは解説します。

水温が下がるとエイを見る機会は少なくなるそうですが、ナルトビエイもアカエイも刺されると危険な生き物。
海や川に近づくときは注意が必要です。

広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2025年10月15日放送)
