【要注意】広島市中心部で毒キノコ|地球派宣言
広島市中心部で毒をもつキノコが相次いで見つかっています。
こちらはヘビのうろこのような模様のヘビキノコモドキ。
食べると死に至ることもある毒キノコで、広島城の近くに生えていました。

キノコの生態に詳しい広島きのこ同好会の川上嘉章(かわかみ・よしあき)会長によると、ヘビキノコモドキは「内臓の細胞が破壊され、結果死に至る」のだそう。

広島城の周辺を歩いていると、川上さんが何かを見つけました。
フクロツルタケです。
誤って食べると、下痢や言語障害などの中毒症状を起こすほか、細胞が破壊され、腎臓や肝臓などに障害が出て死に至ることもあるとされています。
この場所では複数のフクロツルタケが確認できました。

続いて向かったのは平和公園。
毒キノコは、原爆ドームのすぐそばにありました。
川上さんによると食用のカラカサタケに似ているオオシロカラカサタケという毒キノコで、2009年、広島市内で誤って食べた人が下痢や嘔吐などの食中毒症状を起こしたそうです。

川上さんは「このオオシロカラカサタケは熱帯とか亜熱帯地方に多く出るキノコと言われていますが、それが最近広島市でも増えてきている」といいます。
平和公園の中を探してみると、複数の場所でオオシロカラカサタケを見つけました。
暑い地域に多く生息するキノコがなぜ、広島市の中心部で増えているのでしょうか。

川上さんは「夏の気温が40度近くまで上がったりしている。温暖化の影響で広島市も亜熱帯地方のような気候に近づいているのではないか」と分析します。

温暖化の影響は、ほかの場所でも。
広島市東区の県緑化センターで毒キノコを探してみると……。
毒のシロオニタケを見つけました。
川上さんによると、「普通は7月に多いキノコで、夏のキノコがまだ出ている」といいます。

40年以上、キノコを研究している川上さんは「秋に見かけたキノコが春の終わりに出てくるとか、何か今までとは違う出方をしている。キノコの種類による季節感がなくなってきていると思う」と話します。

温暖化の影響で、種類や発生する時期が変化し、目にする機会が増えた毒キノコ。
山だけなく、街中でも注意が必要です。

広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2025年10月1日放送)
