Perfumeらスターを輩出したスクールの歴史と秘密に迫るアクターズスクール広島 25周年記念本

先日“コールドスリープ”(活動休止)を発表したPerfume。そのニュースは多くのファンに衝撃を与え、改めて彼女たちの存在の大きさを実感させました。

そんなPerfumeをはじめ、中元すず香(BABYMETAL)、鞘師里保など、多くの有名アーティストを輩出してきた「アクターズスクール広島」。

同スクールは2024年に開校25周年を迎え、その歩みをまとめた『アクターズスクール広島 25thアニバーサリーBOOK -NEW HORIZON-』が今年3月に発売されました。

第一線で活躍している卒業生たちの知られざるエピソードが読めると、ファンを中心にSNSで話題になっています。

 

『アクターズスクール広島 25thアニバーサリーBOOK -NEW HORIZON-』 『アクターズスクール広島 25thアニバーサリーBOOK -NEW HORIZON-』

 

アクターズスクール広島とは?

アクターズスクール広島は、1999年に広島市で誕生した芸能養成所です。Perfumeを筆頭に、開校から多くのアーティストを輩出してきました。

しかし、本書の講師インタビューによると、この25年間は決して順風満帆なものではなかったのだそう。一時は入学者数が減少し、「もう潰れると思った」と講師が話すほど危機的状況でした。

卒業生の活躍などが呼び水となり、そうした逆境を乗り越え、2017年には分校となる福山校も開校。今もなお新たな才能の育成に力を注いでいます。

 

1万字インタビューで辿る、名だたる卒業生たちの軌跡

本書では、アクターズスクール広島の歩みを、貴重な資料から振り返ることができます。

現在、エンターテインメントの第一線で活躍している総勢20名以上の卒業生たちが在籍時代のできごとを語った1万字インタビューが本書の一番の見どころ。

スクール内オーディションや、デビューをつかみ取るまでの道のりなど、ここでしか知ることができないような、当時のリアルなエピソードが満載。

原点ともいえるエピソードの数々は、ファンならずとも必見です。

1万字インタビュー アーティスト===
Perfume / まなみのりさ / Mebius / Shingo Okamoto / 西脇彩華 / MIKIKO / 鞘師里保 /中元すず香(BABYMETAL) / Mizki / 山本杏奈(=LOVE) / 段原瑠々(Juice=Juice) / 石野理子 / 今村美月 / 由良朱合 / 谷口愛季(櫻坂46) / 吉武千颯 / 広本瑠璃(OCHA NORMA) / MIRI(RIRYDAY) / 戸高美湖 / 山本愛梨 / 奥野心羽(SKE48)
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なぜ、この場所から、スターが生まれるのか。講師たちが語る育成秘話

日本全国、数多くの芸能養成所がある中で、なぜアクターズスクール広島は多くのスターを輩出することができるのか。

講師陣のインタビューは、その答えを知るヒントになるかもしれません。

エンターテインメントの世界で活躍する人材をどう育てているのか。また、スターになった生徒たちは、講師の目にどう映っていたのか。

本書には、その知られざる育成秘話が掲載されています。

 

25年分の全演目や在籍期間・ユニット遍歴で、卒業生たちの足跡を辿る

年2回開催されている発表会の25年分の全演目や、本書に登場する卒業生たちの在籍期間・ユニット遍歴は、スクールと卒業生たちの歩みをたどる貴重な資料です。

「今は別々に活躍している卒業生たちが、実は同じユニットに所属していた」というような意外な交友関係も知ることができます。

 

10月9日に由良朱合と吉武千颯のトークイベント開催。在学時のエピソードを生で聞けるチャンス

本書の大ヒットを記念し、卒業生の由良朱合と吉武千颯のトークイベントをLOFT9 Shibuya (東京都)で開催!

声優やアーティスト活動を中心に、大活躍中の2人がアクターズスクール広島時代の思い出を存分に語り合います。

配信もあるので、遠方の方もぜひチェックしてみて。

『アクターズスクール広島アニバーサリーBOOK -NEW HORIZON-』
大ヒット御礼イベント 由良朱合×吉武千颯トークショー
https://t.livepocket.jp/e/gbn1f

※イベント配信チケットはこちらから
https://premier.twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/391560

 

 

卒業生にとって、アクターズスクール広島とはどんな場所だったのか

“ダンスが苦手、歌が苦手だからってその子をそういった目で見るようなことはまったくなくて、本当にみんながここにいられて楽しい、ハッピーでエンジョイしてるっていうのをすごく感じていました。”
(引用元:『アクターズスクール広島 25thアニバーサリーBOOK -NEW HORIZON-』)

「アクターズスクール広島はどんな場所でしたか?」という質問に対し、世界的ダンサーであり、アクターズスクール広島の1期生でもあったShingo Okamotoさんは、このように話しています。

この言葉はアクターズスクール広島をとても的確に表現していると思います。

なぜなら、実は、筆者もアクターズスクール広島の卒業生。このような本書のインタビューで語られる“アクターズスクール広島あるある”を数多く経験しました。

発表会のオーディションに落ちて泣いたり、グループに選ばれてもヴォイストレーナーの先生から「あんたはハモリが下手じゃね~」とズバッと言われて落ち込んだり……。

帰りにその日のレッスンについて話したり、発表会のパンフレット用にみんなでプリクラを撮りに行ったり……と、アーティストの方々のインタビューに自分を重ね合わせ、当時のことを思い出さずにはいられませんでした。

当時を振り返ると、厳しさと楽しさがいつも背中合わせにあるような日々でしたが、それでも、スクールに行く日をとても楽しみにしていて、そう思わせてくれるほど、この場所が魅力的だったのだと実感しています。

それはやはり“仲間”の存在が大きいと思います。

発表会への出演オーディションを勝ち抜くため、他の生徒はライバルだと意識せざるを得ませんでした。一方で、自分を一段引き上げてくれる存在でもありました。

仲間と切磋琢磨し歌やダンスの技術だけでなく、悔しさをバネにする強さや人と向き合う姿勢も学んだように思います。

在籍したのは20年以上も前のことですが、本書を手に取り、筆者にとって、改めてアクターズスクール広島がかけがえのない青春の舞台であったことを実感しました。

アーティストのファンの方はもちろん、「なぜ広島からこれだけ多くのスターが生まれたのか?」が分かる一冊です。

この本を開けば、広島発エンターテインメントの底力を実感できるはずです。

 

ライター:神原知里

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