広島市中心部の干潟で自然観察会 珍しい生き物の姿も|地球派宣言

干潟に集まる人

 

広島市中心部を流れる太田川。

夕方、スコップを持った親子連れらおよそ170人が集まりました。

お目当ては干潟にいる珍しいカニです。

 

質問に答えるくやさん

 

観察会を開いたのは広島干潟生物研究会のくやみつおさん。

「干潟はいまや非常に貴重な自然になってきたが、その貴重な自然が広島にはなぜかたくさん残っているので地元の人はぜひ見てほしいし大事にしてほしい」と話します。

 

砂浜の手前で止まるくやさん

 

川岸を歩いて、カニを探していると、くやさんが突然立ち止まりました。

そして、子どもたちの前でチゴガニがいる砂浜に入っていきます。

 

砂浜に降りるくやさん

 

すると……砂の上に出ていたカニが一斉に穴へと入りました。

子どもたちも大喜びです。

保護色で見えにくいチゴガニが一斉に動く様子を見てもらい、数がたくさんいるということを実感してもらうのが目的です。

 

案内するくやさん

 

次にくやさんが案内してくれたのは、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されているハクセンシオマネキが多く生息している場所。

貴重なカニですが太田川では比較的多く見ることができるそうです。

 

ハクセンシオマネキ

 

このハクセンシオマネキ。

繁殖期に近づくとこんな駆け引きを見ることができます。

大きなハサミが見えるのがオス、右側の小柄なのがメスです。

 

メスの前でハサミを振るオス

 

メスに気がついたオスが大きなハサミ上下にを振ってアピールしています。

この行為、「ウェービング」といい、メスへの愛の表現だそうです。

オスはハサミを振りながらメスに向かって近づきますが、オスがあと一歩のところで逃げられてしまいました。

くやさんいわく、「相性が悪かったので逃げられた」そうです。

 

捕まえたいろいろなカニ

 

豊かな自然が残る太田川の干潟。

この日はスナガニなど10種類のカニが観察できました。

参加した子どもたちは、「カニが嫌いで1匹自分で見つけて自分でとれたのがうれしかった、少しはカニが好きになった」と感想を口にします。

 

カニを逃がす

 

観察のために捕まえたカニは、砂浜で逃がして、観察会は終了。

広島干潟生物研究会では今後も定期的に観察会を開いていく予定です。

 

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2025年7月2日放送)

SDGs

 

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