まろやかで濃厚なスープを堪能!「麺屋のとなり」のとり白湯醤油そば|広島市南区

広島駅から路面電車に揺られること、約20分。

広島電鉄「県病院前」電停で下車してすぐの場所に、2024年6月、「麺屋のとなり」がオープンしました。

提供するのは、広島ではまだ珍しい鶏白湯スープのラーメン。

すがすがしい紺色ののれんをくぐって、新鮮な味わいの一杯をいただきながら、そのおいしさの秘密を聞いてきました。

 

麺屋のとなり 大きな紋が目を引くのれんを目印に。

 

トッピングにも注目!濃厚な「とり白湯醤油そば」

看板メニューの「とり白湯醤油そば」は、麺を覆う白いスープとその上に添えられた水菜や白髪ねぎ、味玉、チャーシューのコントラストが上品な一杯。

目の前に丼がやってくると、スープの表面が細かく泡立てられていることが分かります。

 

麺屋のとなり とり白湯醤油そば(900円)

 

一口味わうとまず感じるのは、麺を包み込むようなスープのまろやかさ。

コクがありながら油分がちょうどよいさっぱりとした印象もあり、するすると食べ進めることができます。

 

麺屋のとなり チャーシューのトッピングは豚と鶏の2種類!少しお得な気分。

 

絶妙なとろとろ具合がたまらない味玉や、豚と鶏のチャーシューもすべて手作り。

チャーシューには丁寧に下味を付け、2日間かけて仕上げます。

しっとりとした鶏チャーシューの周りに振られた黒コショウは、スープをきりりと引き締めるアクセントとしても一役買っています。

 

麺屋のとなり スープは細かく泡立っていて、クリーミーな口当たりが心地よい。

 

口に含むと細かな泡が感じられ、さらに濃厚さが際立つスープは、岡山県の「森林どり」の胴ガラと国産鶏のもみじ、手羽元、少しの豚の背骨、利尻昆布、にんにくを高圧力の寸胴鍋で煮込み、旨味を凝縮したもの。

そこに鳥取県倉吉市の「桑田醤油」、広島県江田島市の「濱口醤油」、広島県廿日市市の「佐伯醤油」をブレンドした特製のしょうゆダレと香味油をあわせてブレンダーで攪拌することで、スープとタレ、香味油を乳化させ、一体感を生み出しているそうです。

 

麺屋のとなり スープは一杯ずつブレンダーで攪拌。カウンター席からは調理の様子を見ることができる。

 

麺屋のとなり 麺はストレートだがわずかに縮れていて、スープがほどよくからむ。

 

細麺でありながら噛み応えがある麺は、1931年に創業した京都府の老舗「麺屋棣鄂(ていがく)」に特注したもの。

店主の宮本真さんが「小麦の香りがこんなに感じられる麺はあまりないんです」と話す通り、噛んでいると力強い香りを感じます。

 

麺屋のとなり 店の外には「麺、棣鄂。」の看板が。

 

麺をすべて食べ終わった後には、卓上に用意されている酢を入れて味の変化を楽しむのもおすすめ。

香りがプラスされ、満たされたお腹にもちょうどよい、さっぱりとした味わいで最後までスープをいただくことができます。

しょうゆダレの代わりに、アンデス岩塩と高知県産の塩、利尻昆布と煮干しを使用した「とり白湯塩そば」(900円)も用意されていますよ。

 

脂がのったサバがたっぷり「焼さばと卵黄牡蠣醤油飯」

サイドメニューのおすすめは「焼さばと卵黄牡蠣醤油飯」(450円)。

大きなサバのほぐし身がごろごろとトッピングされた食べ応えのある一品は、「ラーメン屋には珍しいサイドメニューを提供したい」と考えられたものだそうです。

 

麺屋のとなり 焼さばと卵黄牡蠣醤油飯(450円)

 

サバは脂がのったノルウェー産を使用。

旨味が際立つ牡蠣醤油が染みたご飯と一緒に頬張ると、しそや海苔のほのかな香りも感じられます。

つやつやの卵黄をくずして一緒に味わうと味の変化も楽しめ、ラーメンと一緒でも軽やかに食べきることができました。

「とり白湯そば」の「醤油」または「塩」とセットにする場合は+350円で注文が可能です。

 

ゼロから作り上げた店を、ますます人が集う場所に

麺屋のとなり 宮本さん(右)とスタッフの杉田佳穂さん

 

由来をよく聞かれるというユニークな店名には、「家の隣にラーメン屋さんがあって、いつでもおいしいラーメンが食べられたらいいな」という気持ちを込めているそう。

宮本さんは「ラーメン以外にも好きなものはたくさんあるんですけどね」と笑いますが、ラーメンへの愛がじんわりと伝わってきます。

 

宮本さんはイタリアンやラーメン店での勤務を経て、「麺屋のとなり」をオープン。

店の内装も食材も、自ら1軒ずつ連絡を取って検討を重ねながら手配したといい、「本当にゼロからスタートした店です」と当時を振り返ります。

鶏白湯スープは広島にはまだ少ないラーメンのジャンルですが、旨味の濃いとんこつスープが好まれるこの地域との相性もよいと考えたそうです。

 

麺屋のとなり カウンター4席と2名掛けテーブル4卓を備える店内。

 

オープニングスタッフとして勤務する杉田さんは、「オープンして半年間はあっという間でしたが、段々とお客さまも増えてきています」と笑顔。

ランチタイムにはサラリーマンに加え、遠方から訪れる人も。

「『おいしかったよ』『また来るよ』という言葉が聞けるとうれしい。いつでも気軽に寄ってもらえて、仕事の疲れがとれるような場所でありたいと思っています」と杉田さんは話します。

 

メニュー表には「準備中」の新メニューも。「麺屋のとなり」はまだまだ進化していきそうです。

 

麺屋のとなり チャーシューを増量した「肉盛とり白湯」(1280円)も魅力的!昼、夜とも同じメニューが利用できる。(2024年11月現在)

 

麺屋のとなり アレンジが可能なトッピングや、お腹の具合によって選べる「白米ミニ」(70円)もうれしい。(2024年11月現在)

 

これから一段と寒くなり、温かいものが食べたくなる季節がやってきます。

まろやかで温かな一杯が味わえる「麺屋のとなり」を、ぜひ皆さんも訪れてみてくださいね。

 

麺屋のとなり 基本情報

麺屋のとなり

 

住所 広島市南区宇品神田1丁目1-6
電話番号 080-8036-8944
営業時間 11:00~14:30/17:30~19:30
※スープ、麺がなくなり次第営業終了
定休日 木曜日
交通アクセス 広島電鉄「県病院前」電停から徒歩1分
駐車場 なし ※近くにコインパーキングあり
SNS Instagram:@menyanotonari

 

ライター/時盛 郁子
※紹介している内容は2024年11月取材時点のものです。公開後内容が変更している可能性があります。
※掲載している金額はすべて税込みです。

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