親の一人暮らしをどう支える? | 親が元気なうちにやっておきたい準備についてFPが教えます

一人暮らしの親をどう支えるか。

家計相談歴30年のファイナンシャルプランナー(FP)、波多間 純子さんと共に考えました。

 

高齢者の一人暮らしの割合は増えている(65歳以上に占める一人暮らしの割合 内閣府資料)

 

【高齢者の一人暮らし。そのリスクは?】

高齢者が一人暮らしを選ぶ理由

 

配偶者に先立たれた後、子どもに迷惑をかけたくないなどの理由から、子どもと同居はせずに一人暮らしを選ぶ高齢者が増えているそう。

しかし、高齢者の一人暮らしには、病気やけが、事故の発見が遅れるといったリスクがあります。小さな変化を感じ取れず、認知症などの病気の発症に気づくのが遅れる可能性もあります。

 

高齢者の一人暮らしのリスク

 

病気やけが、事故の発見が遅れる

 

体力が衰えると、家事をするのがおっくうになり、生活の質が下がってしまう可能性も。

 

体力が衰えると……

 

【親の一人暮らしをどう支えるか】

では、親の一人暮らしをどう支えれば良いのでしょうか。

波多間さんは「今後の親御さんの状況を3段階に分けて、見通しをイメージしてみてください」とアドバイスをします。

 

自立、生活援助が必要、要介護の3段階に分けて準備をしておく

 

また、親が元気なうちに、希望を聞いておくことが大切なんだそう。

「こうした方がいいんじゃないか」という思いがあったとしても、まずは親の意思を尊重してあげることがポイントです。

 

親が元気なうちに希望を聞く

 

日常生活の情報を集めておくこともやっておきたい

 

「生活援助が必要になった場合は、民間や行政の生活支援を上手に使ってサポートをしましょう」と波多間さん。

広島市も「高齢者配食サービス」や、「あんしん電話」といったサポートサービスを提供しています。

 

広島市 高齢者配食サービス

 

広島市 あんしん電話

 

民間では、郵便局の「みまもり訪問サービス」や、IoT技術を活用した「MaBeeeみまもり電池」といったサービスもあります。

必要に応じて活用していきましょう。

 

郵便局のみまもり訪問サービス

 

MaBeeeみまもり電池

 

「介護が必要になったら、あらかじめ介護休業給付の確認や、地域包括センターへの連絡をしておくと良いと思います」

事前に準備をして、いざというときにスムーズに利用できるようにしておきましょう。

 

そして、気になるお金のこと。

波多間さんは、財産一覧表を親に作成してもらうことを勧めます。

「一覧表を作るにあたり、金融機関を明確にすること。金額は書かなくても良いです。金額を書くと抵抗があると思うので……」

 

財産一覧表の例

 

「親が認知症になってしまう可能性も考えて、家族信託を検討しておいてほしい」

と波多間さんは話します。

「親御さんがもしも認知症になったら、それ以降の財産の管理や処分をお子さんに任せますよという契約。認知症などで判断能力がないと判断されたら、金融機関から預金の引き出しができなくなってしまう。マイホームなどの売却も困難になるので、資産を凍結されるリスクに備えるために有効です」

 

家族信託の仕組み

 

もしも、一人暮らしが難しくなり、同居もできない状況となったら、高齢者向け施設・住宅の利用も視野に入れましょう。

施設によって費用や入所要件も異なります。

気になる施設があれば見学をしてみるのもおすすめです。

 

主な高齢者施設と費用の目安

 

「言葉は優しく、内容は現実的に」

親の一人暮らしをどう支えていくのか、互いに寄り添いながら話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年9月10日放送)

ライター:神原知里

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