【庄原市・白雲洞】まるで“天然のクーラー” 渓谷の地下に広がる冷涼スポット|地球派宣言

厳しい暑さが続く中、庄原市には自然の中で涼めるスポットがあります。

 

帝釈峡

 

庄原市にある帝釈峡一帯には、鍾乳洞が無数にあると言われ、唯一見学できるのが「白雲洞」です。

 

白雲洞

 

中に入ると岩肌が濡れているところがありました。

ガイドの山崎さんに聞いてみると、「これが鍾乳洞のできる秘訣」とのこと。

 

帝釈峡ガイド 山崎允さん

 

石灰岩は水に弱いため、雨水や地下水が流れ込み、石灰岩を溶かすことで鍾乳洞の形が作られているそうです。

 

水に濡れた鍾乳石

 

鍾乳洞

 

奥へ進むとひんやりとしてきました。温度をはかると約12℃。

これは庄原市の年間平均気温と同じで、1年通して洞窟内の温度はほぼ変わらないそうです。

 

温度約12℃

 

この洞窟には、さらに涼しさを感じる秘密がありました。

公開されているエリアは約200mほど。

その行き止まりにある扉に風鈴をかざしてみると、勢いよく風が出ていました。

鍾乳洞の奥から風が吹き込んでいるため、より涼しさを感じることができるのです。

 

風が吹いていた

 

なぜ風が吹きこんでいるのでしょうか?

日本洞窟学会の横田さんに聞いてみると「おそらく奥に空間があって、現在の洞窟の位置よりもさらに高い場所にもう1カ所入口があるものと思われます。」とのこと。

 

日本洞窟学会 会員 横田角光さん

 

温かい空気は上へ、冷たい空気は下へ行く性質があるため、鍾乳洞の中にある冷たい空気は下へと流れます。

公開エリアの奥へと続く鍾乳洞の先の高い位置に別の入口があり、鍾乳洞の冷たい空気が下にある入口に向かって移動しているのではないかと推測されます。

 

風が下に向いて吹くイメージイラスト

 

白雲洞は、およそ3億年前に海底でできた石灰岩が陸に浮上してきた鍾乳洞と言われています。

完全に水没していたころに、ゆっくりとした水の流れによって削られた穴や、水がしたたるように流れまるで魚のうろこのような岩肌も見ることができました。

 

水没していた頃に削られた穴

 

水がしたたるように流れ削られた岩肌

 

本来明かりがない洞窟内には、植物が生えないそうです。

しかし見学用に設置されたライトの下だけ植物が生きていました。

 

照明の下にある植物

 

長い年月をかけて生み出された鍾乳洞は、とても貴重なものです。

鍾乳石には触らず、傷つけたり、落書きなどをしないよう、マナーを守って見学しましょう。

白雲洞の中に、風が吹くのは夏場だけだそうです。

暑い夏をしのぎながら、太古の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

 

白雲洞

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2024年8月14日放送)

SDGs

 

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