福山城の築城記念日が「8月28日」に!2022年に築城400年を迎えた福山城の魅力とは?
広島県福山市にある福山城は、2022年に築城400年を迎えました。
徳川家康のいとこで、天下無双の破天荒武将・水野勝成が1622年に築いたこのお城、実は5層6階の天守の造りや20以上の櫓など、10万石クラスにしては破格の城なんです!
今回はそんな福山城の魅力を、お城に詳しい栗原響大(ひびき)さんと一緒にお届けします。
真剣な表情でお城を眺めていた栗原さんは、「この城をどうやって攻め落とそうか考えていた」のだそう。
栗原さんがこれまでに訪れたお城は全国350以上。
現在中学生ながら多数のメディアに登場し、自身の著書を出版するなど、大人顔負けの知識と発信力をもつお城博士なんです!
そんな栗原さんに、さっそくお城の面白さを聞いてみました。
栗原さん「お城というと天守だけだと思われがちですが、その周りを取り囲むように石垣や土塁、お堀、櫓などがあり、そのひとつひとつがお城を構成しているところが面白いです」
そして、福山城のすごさは、「10万石クラスとは思えないお城の規模」にあるといいます。
たとえば、同じ広島県内にある40万石の広島城は天守の高さ39mですが、福山城はそれに匹敵する34m。
4分の1の石高しかないにもかかわらず、広島城に劣らない大きさなんです。
中でも栗原さんが一番注目するポイントがこちらの「伏見櫓」。
こちらは重要文化財に指定されていて、なんと江戸時代の築城当時から残る建造物!三重櫓としては国内最古級だといいます。
そんな説明を受けているところに拍手とともに登場したのは、福山城博物館学芸員の皿海さん。
ここからは皿海さんも交えて福山城の魅力をさらに深掘りしていきます!
皿海さんによると、この伏見櫓はもともと京都の伏見城にあったものを移築したのだそう。
1954年に解体修理を行った際、2階の梁からその証拠となる「松ノ丸ノ東やぐら」の刻印が発見されたことからわかりました。
そして、全国に12基しか現存していない三重櫓のひとつ。他に残る三重櫓は江戸城など名だたるお城ばかりです。
と、ここで皿海さんから突然のクイズが出題されました!
栗原さんは正解できるでしょうか?
「伏見櫓は明治時代に入ってどのような使われ方をしていた?」というクイズ。
これはさすがの栗原さんも知らない超難問……!
栗原さん「ほかのお城にもある例としたら、学校とか?」
正解は……なんとビリヤード場!
当時、伏見櫓を購入した一般の方が、1階がビリヤード場として、2階は土産物店として使用したそうです。
そして、福山城の魅力をもうひとつご紹介しましょう。
こちらは築城時から残っている重要文化財で、本丸の入り口である「筋鉄御門」です。
栗原さんによると、この門は鉄板が張られているので銃弾を通さないとのこと。
柱の角と扉に数十本の筋鉄が鉄製の鋲で打ち付けられ、木材は丈夫な欅材が使用されています。
ここは本丸への侵入を防ぐ最後の砦のため、非常に堅固に作られているんです。
実際に触れてみて、打ち破れそうにないことをしっかり確認しました!
そして、いよいよ本丸へ!
栗原さんが注目したのはたくさんある「破風(はふ)」。
破風とは、屋根の三角の装飾部分のこと。
「天守は権威を象徴するものなので、破風がたくさんあります」と栗原さん。
福山城天守には破風がふんだんにあり、千鳥破風の上に唐破風が置かれているのは格式高い造りなのだそう。
南側に通る街道から人々が天守を見て「すごい」と思わせる見映えが意識されているんです。
破風の話が出たところで、2回目のクイズです!
「破風には防御のための設備が設けられていますが、それは何でしょう?」という問題。
今度のクイズには、栗原さんはよどみなく「狭間(さま)」と回答して見事正解!
狭間とは、鉄砲などを出して狙う穴のこと。
「一見平和の象徴のように思える天守にも、このように狭間があって、実は凶暴な面もあるのだと思いました」と、常に攻略する目でお城を見る栗原さんらしいコメントもありました。
この天守は2022年の築城400年の節目に、当時の姿へと復元され、北側の総鉄板張りがよみがえりました。
ここでももちろん栗原さんの解説があります。
総鉄板張りになっているのは、防備の弱い北側からの大砲などの攻撃に備えたため。福山城にしかない唯一無二の機構です。
実際に、幕末には長州藩による砲撃を防いだという記録が残っています。
知れば知るほどそのすごさを実感できる福山城には、「月見櫓」や「御湯殿」、「石垣の遺構」など、たくさんの見どころがあります。
そんな福山城で、8月24日(土)に栗原さんと一緒にお城をめぐるツアーが開催されます!
くわしくは「カツナリ・デ・ナイト」で検索!
広島ホームテレビ「ピタニューサタデー」(2024年8月3日放送)
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