【福山市の盈進中学高等学校】中高生が絶滅危惧種「スイゲンゼニタナゴ」の人工繁殖に成功|地球派宣言

全長4cmほどの小さな魚。

絶滅危惧種に指定されているスイゲンゼニタナゴです。

全国でも岡山県の一部と、福山市の芦田川流域にしか生息していません。

 

スイゲンゼニタナゴ

 

地元・福山市の盈進中学高等学校では、スイゲンゼニタナゴを守る活動を行っています。

 

盈進中学高等学校

 

環境科学研究部の部室の中には、所狭しと並んだ水槽が……。

およそ150匹のスイゲンゼニタナゴを飼育しています。

 

環境科学研究部の部室

 

中学3年生から高校2年生の生徒6人が、去年から人工繁殖に取り組んでいます。

 

人工受精の様子

 

しかし、生徒たちは飼育経験がほとんどなく、去年はすべて失敗に終わりました。

 

環境科学研究部の生徒たち

 

 

原因の一つが、受精後の卵に生えるカビです。

キレイな水環境でしか生きられないスイゲンゼニタナゴ。

ふ化して稚魚へと成長する過程で、多くが死んでしまったのです。

 

スイゲンゼニタナゴの受精卵

 

その教訓を活かして、今年はこまめに水を入れ替えるなど、工夫を行いました。

そして、多くの生徒が人工繁殖に成功。

現在、60匹のスイゲンゼニタナゴが育っています。

 

人工繁殖した稚魚

 

環境科学研究部部長の信野元春さんは、「自分で人工繁殖したスイゲンゼニタナゴがとても可愛く見える。貴重な種を預かっているので、大切にして数を増やしていきたい」と語ります。

 

環境科学研究部部長 信野元春さん

 

環境科学研究部では、月に一度のペースで、近隣の川で水質調査を行っています。

将来的には、人工繁殖で増やしたスイゲンゼニタナゴを、川に放流することを目指しています。

 

水質調査の様子

 

部員の嶋浦裕斗さんは、「スイゲンゼニタナゴを守るだけでなく、地域の環境を守っていくことが重要」と語りました。

 

環境科学研究部 嶋浦裕斗さん

 

生徒たちは、スイゲンゼニタナゴの保護・繁殖活動を通じて、小さな命に寄り添いながら、地域の自然環境を守る力を身につけようとしています。

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2024年7月17日放送)

SDGs

 

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