【福山市立動物園】日本に1頭しかいないゾウ ボルネオゾウのふくちゃん|地球派宣言
8カ所の動物園の年間パスポートを持ち、年間170回訪れる動物園マスター野崎浩貴(のざき ひろたか)さんに、日本に1頭しかいないゾウについて教えてもらいます。
動物園マスター 野崎浩貴さんと野村舞アナウンサー
今回の舞台は、1978年に開園した福山市立動物園。
約500頭の動物たちを飼育する動物園です。
福山市立動物園
日本に1頭しかいないゾウ。
それは、福山市立動物園の「顔」ともいえるボルネオゾウのふくちゃん。
ボルネオゾウのふくちゃん
ボルネオゾウとは、アジアゾウの一種で、体の大きさが一番小さいといわれています。
アジアゾウの中にはインドゾウやスリランカゾウなど、様々な亜種が存在します。
亜種とは、種のうち、地域によって何らかの差がみられるときに区別するもので、ボルネオゾウもアジアゾウの亜種の一種なのです。
ボルネオゾウのふくちゃん
日本に1頭しかいない貴重なボルネオゾウのふくちゃんですが、実は2016年、命に係わる大病を患ってしまいました。
それが、結核。人間にとっては治療が可能になった結核ですが、ゾウにとっては、不治の病といわれています。
現在は元気な姿を私たちに見せてくれているふくちゃん。
完治はしていませんが、症状はおさまっているそうです。
ふくちゃんを救ったのが、飼育員たちの献身的な介抱と、有志による援助でした。
福山市立動物園では、複数の投薬治療を行うため、ふくちゃんを応援するクラウドファンディングを実施。
約2カ月で700万円ほどが集まりました。
現在、元気な姿が見られるのも絶え間ない努力の結晶なのです。
ふくちゃんと飼育員
動物園は、普段見られない動物たちを見て楽しむのも1つのポイント。
ですが、種の保存や野生動物が棲む環境のことを学ぶことも動物園の重要なポイントだと野崎さんは言います。
動物園の意義を話す野崎さん
ふくちゃんの故郷であるボルネオ島は、パーム油と呼ばれる資源を生産するため熱帯雨林が破壊され、動物たちの住処が少なくなってきています。
私たちができることを、飼育員の萩原さんに聞きました。
福山市立動物園の飼育員 萩原さん
動物たちの住処に配慮した方法で生産されるパーム油や商品には、「RSPO認証マーク」というものがついているんだそう。
「そのマークがついているかをチェックしながら買い物をしてもらえると、ふくちゃんが福山に来た意義が出てくる」と話す萩原さん。
RSPO認証マーク
そして、「動物園に行く目的は「かわいい」などでもいいが、そこから環境のことを考えるきっかけになればいい」と萩原さんは言います。
動物園の意義を話す萩原さん
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年6月26日放送)