【一体何が?】宮島水族館から消えたタチウオ|地球派宣言
瀬戸内海を代表する魚「タチウオ」。
いま、このタチウオに異変が起きているといいます。
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瀬戸内海の魚をメインに展示している宮島水族館。
生きたタチウオが見られる、全国でも数少ない水族館です。
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タチウオの展示コーナーをのぞいてみると、そこにはサメの姿が…
実は、いま、展示の中止を余儀なくされているのです。
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うろこがなく、傷つきやすいタチウオは、飼育するのが難しく、生かして水族館まで持ってくることも難しいのだそう。
飼育員の御薬袋(みない)さんは、「デリケートな魚なので、水槽に入れても長期間飼育することができず、だいたい半年から1年くらいしか水槽のなかでは生きられない」といいます。
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さらに、展示中止の原因となっているのが、瀬戸内海でタチウオが獲れなくなっていること。
宮島水族館では、1年中見られる周年展示を売りにしてきましたが、今年の1月から展示の中止が続く、深刻な状況です。
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宮島水族館では漁師さんの船や遊漁船の船長さんに協力してもらってタチウオを集めているそう。
御薬袋さんによると「2016年ぐらいまでは、1回漁に出ればまとまった数が獲れていたが、2017年を境に少しずつ減ってきて、いまは昔に比べたらだいぶ減っている」とのこと。
農林水産省の統計によると、タチウオの漁獲量は2017年以降大きく減少し、2022年には82トンに。10年前と比べると10分の1にまで減っています。
一体、タチウオに、何が起きているのでしょうか。
広島大学で水産資源の変動について調査・研究をしている冨山毅(とみやま・たけし)教授に伺いました。
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「はっきりとしたことは分かっていないが、私たちが調べて気になっているのは、春先によく産卵してタチウオの赤ちゃんが生まれる時期があるが、この時期の赤ちゃんや卵が最近すごく減っていること。
産卵期になるとタチウオは集まってくるので、簡単に漁獲されやすい。漁獲圧が高くなって、タチウオが産卵期にたくさん獲られてしまったことで減ったという意見も各地で見られています」と話す冨山教授。
要因の一つとして考えられる産卵期の乱獲。
今後、タチウオを守っていくために、私たちに何ができるのでしょうか。
冨山教授は「漁業者、それから釣り人、そして食べる私たちが、タチウオを守っていくためにはどうしたら良いかを皆で考えていく必要があると思う。
例えば漁業者に関して言えば小さいものをなるべく獲らないようにするとか、あるいは産卵期にタチウオを狙った漁業を行わないようにするとか。
釣り人についても小さな魚は速やかにリリースするとか、なるべく生き残りを高めるように努力することが大事だと思っています」と話します。
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宮島水族館では、タチウオが手に入り次第、展示を再開する見通しということです。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年5月1日放送)
![SDGs](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2022/01/66b535962734fccd0f40b2abe32bf6ba-1.jpg)