長年愛されるご当地グルメ・備後府中焼きの名店「平の家」
広島県東部に位置する府中市。
この地で長年愛されているローカルグルメをご紹介。その人気の秘密に迫ります。
【平の家】
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昭和33年創業の「平の家(ひらのや)」。
広島のご当地お好み焼きのなかでも、熱いファンが多い「備後府中焼き」のお店です。
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広島県内のご当地お好み焼き人気No.1を競う「第1回広島てっぱんグランプリ」で初代王者に輝いたのが、備後府中焼きです。
一般的な広島のお好み焼きと、備後府中焼きの違いはお肉。
広島のお好み焼きといえば、豚バラ肉が主流ですが、備後府中焼きは、牛や豚のミンチを使っています。
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【ここでしか味わえない備後府中焼き】
平の家の備後府中焼きには、他のお店とは違う特徴があるんだそう。
2代目店主の平田 篤三さんに作っていただきました。
キャベツを綺麗な山のようにのせ、その上に黒毛和牛のミンチをのせます。
「府中市でも黒毛和牛を使っているお店はほぼないんじゃないか」と篤三さん。
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さらに、仕上げに使う新鮮な卵は世羅から仕入れています。
お好み焼きの上に、溶き卵ををぜいたくにかけるのが平の家流。
このとろみがやみつきになると、お客さんも大絶賛なんだとか。
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こうしたこだわりが評価され、平の家は「ミシュランガイド広島・愛媛2018特別版」で、ビブグルマンマーク付の店として紹介されています。
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【店主夫婦の人柄の良さも長年愛される理由】
平の家を切り盛りしている平田さんご夫婦。
お店を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
「先代が歳をとってしんどくなって。最初は断ったんだけど、(きょうだい4人いたけど)誰もせんし。それなら自分がしようと」
と話す篤三さん。
「最初は私が1人手伝っていて。そしたら、(夫が)仕事を辞めてきて。私はずーっと働いてる」
と、奥様の平田 育子さんが話すと
「すみません…。」
と小さくなる篤三さん。このテンポの良い掛け合いもお店を長く切り盛りしているご夫婦ならではなのかも。
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お店を移転し再スタートをしましたが、当時は金銭的に余裕がなかったそうで、造船用の鉄板を8,000円で購入し磨いて使ったり、1日の売上がわずか3,000円だったときもあったそうです。
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しかし、大きなお店に移転したことでお客さんが付いてきてくれたのか、店の経営は安定。
「いろんな人が来てくれるのが楽しい。初めて来てくれた人が喜んでくれたり。盆正月は楽しみ。誰が帰って来るかなって」
と、この地で備後府中焼きを作り続ける理由を楽しそうに語ってくれる育子さん。
取材をした日、お店にいたお客さんに話を聞くと、
「中学生から通っている。おいしいですし、おばちゃんとの会話もおもしろい」
「昔の上司に紹介してもらって。それ以来、ずっと通っています」
と、人が人をよび、地元で愛され続けていることが分かります。
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【お孫さんが修行中】
後継者問題から、備後府中焼きのお店が減っていることが府中市の課題となっているそう。
平の家では、「誰もやらなくなって、なくなるのは寂しい」と、お孫さんが後継者になるために修行を積んでいます。
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地元で長年愛される名店・平の家。
足を運んでみてはいかがでしょうか。
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広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年4月23日放送)
ライター:神原知里