地元の桜を未来につなぐ 三次市「尾関山公園」桜の風景を守るプロジェクト

広島県内でも有数の桜の名所として知られる三次市の尾関山公園。

 

 

三次市を流れる清流・江の川の畔に位置するこの公園は、満開の時期には山一帯が桜色に染まります。

その美しさから「別撰さくら名所」のひとつに選ばれたことも。

園内にはソメイヨシノや樹齢100年を超えるエドヒガンなど、およそ500本の桜があり、地元の人々や観光客から親しまれ、お花見スポットとしても人気の場所です。

 

 

毎年多くの人々を魅了する尾関山公園の桜ですが、近年、木の勢いが衰え、枯れ枝も目立つようになり、美しい景観が失われつつありました。

 

 

三次市建設部都市建築課の熊谷さんによると、尾関山公園の桜は手入れの概念不足や過密な植栽により病気が蔓延していたのだとか。

そのため、樹勢が衰えて枯れ枝が目立つようになり、桜の風景が衰退してきたといいます。

 

 

そんななか、桜の再生をめざして立ち上がった人々がいました。

ボランティア組織の「尾関山ファンクラブ」です。

「尾関山ファンクラブ」では、樹木医などと連携して枯れ枝のせん定や罹病した木の伐採を行うなど、桜の木の保全活動を行ってきました。

 

 

活動を初めてから7年、桜の生育環境は改善されつつあるものの、まだまだ課題は多いようで……。

適正に管理していくためには、肥料を撒いたり害虫を駆除するための薬を散布したりするなど、時間もお金もかかるのです。

熊谷さんは、「ボランティア作業や通常の公園の管理作業には限られた予算しかないため、適正な管理ができないことが課題」だといいます。

今、こうした課題解決に向けて新たな取り組みが始まっています。

 

 

それが、キリンビールが立ち上げた「晴れ風ACTION」プロジェクトです。

今年4月2日に発売されたキリンビールの「晴れ風」を購入すると、売上の一部が桜の保全活動に寄付されるという仕組み。

 

 

参加方法は2つ。

晴れ風350ml缶を1本購入すると0.5円が、500ml缶を1本購入すると0.8円が自動的に寄付されます。

また、缶の裏に印字された二次元コードなどから専用サイトにアクセスすると1日1回、0.5円分の「晴れ風コイン」が無料で付与されます。このコインを使用して、自分が応援したいと思う自治体を選んで寄付することができます。

 

 

キリンビール株式会社の堀口社長はこの取り組みについて、「日本の風物詩を応援する活動です。全国の自治体の皆様と一緒になって、長期的に腰を据えて取り組んでいきます。日本が持っている素晴らしい風物詩を未来にまでつなげていきたいと考えています」と語りました。

 

 

「晴れ風ACTION」の寄付金の一部は、尾関山公園の桜の維持管理にあてられる予定です。

熊谷さんは、「先人から受け継いできた尾関山公園の桜を私たちが次の世代に引き継がないといけないと思っています。ますます活気にあふれた地域一番の公園になるようにしていきたい」と語ってくれました。

“地元の桜”を未来につなぐ新たなプロジェクトが注目されています。

 

広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年3月29日放送)

ひろしまリード編集部

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