創造的過疎の町を満喫しよう!神山町おすすめスポットめぐり/徳島県
1955年に5つの村が合体して生まれた神山町は、日本各地から注目され続ける“限界集落”の一つ。面積の約83パーセントが山地でありながら、東京や大阪のような大都会から移住者が集まり、彼らがつくった魅力的なお店に多くの人が訪れる好循環が生まれています。
今回は徳島阿波おどり空港からレンタカーなどで行く、1泊2日の神山町おすすめプランを紹介。徳島旅行の参考にしてくださいね。
KAMIYAMA BEER
まずは、アーティスティックな外観が目立つマイクロブルワリー『KAMIYAMA BEER』です。
オランダから移住したご夫婦が営む『KAMIYAMA BEER』では、神山の風土に寄り添ったオリジナルのクラフトビールが揃います。タップルームは土日のみの営業ですが、平日でもスタッフが在店していれば、ボトルビールの購入は可能。残念ながら閉まっていたら、この後で立ち寄る『かま屋・かまパン&ストア』でも買うことができます。随時、イベントなどの開催も予定されているため、Facebookページのチェックもお忘れなく。
かま屋・かまパン&ストア
地域の農業と食文化を次世代へつなげていく『Food Hub Project』の拠点、町の食堂『かま屋』とグロッサリー(食料雑貨店)の『かまパン&ストア』です。“地産地食”を旨とする『かま屋』のモーニングやランチは絶品!
同じ敷地内にある『かまパン&ストア』では、さまざまな種類のパンをはじめ、こだわりの調味料や神山に縁のある品々を買い求めることができます(もちろん『KAMIYAMA BEER』のクラフトビールも!)。知る人ぞ知る徳島市の雑貨店『遠近(をちこち)』の店主、東尾厚志さんディレクションの『かま屋』で使用されている器なども取り扱っています。
豆ちよ焙煎所
神山町でもっとも有名なコーヒーといえば、寄井商店街にある『豆ちよ焙煎所』。軒先に取りつけられたアイアンの看板には「豆ちよ焙煎所」という店名が書かれています。よく見ると、周囲にはコーヒー豆や煙突から立ち上る煙が散りばめられており、コーヒー好きにはたまらないデザイン。お店を訪れたときには、看板も忘れずにチェックしてみてください。
神山町の地方創生戦略の一つ『民家改修プロジェクト』で改修された古民家が店舗になっており、いつ訪れても居心地の良い空気に包まれています。
店主の千代田孝子さんが丁寧に焙煎するコーヒー豆は、どれも甲乙つけがたい美味しさ。 メニューはその日のコーヒー3〜5種類の中から選べるほか、アイスコーヒー、カフェオレ、自家製カスカラシロップを使ったチャイやクラフトコーラも人気です。コーヒー好きはぜひ訪れてみてください。
雨乞の滝
寄井商店街から高根谷川沿いの道を走れば『雨乞の滝 駐車場』までは約6分で到着。そこから『雨乞の滝』までは徒歩で約20分の道のりです。途中には『うぐいす滝』『不動滝』『もみじ滝』『観音滝』など、個性的な渓流瀑がいくつもあり、神山町の豊かな自然を心ゆくまで満喫することができます。
雄・雌、二つの流れを持つ『雨乞の滝』は、それぞれ約27mと約45m。名前の由来は、かつて長い日照りで困った農民たちが、ここで蓑笠を着て鐘・太鼓などを打ち鳴らし、雨乞いを行った伝承に由来するとのこと。アーティストの横尾忠則さんも感銘を受けたという絶景は、特に新緑と紅葉の季節がおすすめです(※登り坂が続くため、歩きやすい服装と靴が必要)。
WEEK神山
神山町で宿泊できる場所は限られている上、それほど選択肢が豊富なわけではありません。おすすめしたいのは『WEEK神山』。築70年の古民家を再生した食堂棟を中心に、ツイン4室・ダブル2室・グループルーム2室を備えており、さまざまなスタイルの旅行者に対応できる宿泊施設となっています。(2020年取材時)
どの部屋にも大きな窓があり、鮎喰川を見下ろすことができる点も嬉しいポイント。川のせせらぎ、鳥や虫の鳴き声などが身近に感じられ、いっそう旅が楽しくなること請け合いです。金・土・日の12:00から15:00は“週末カフェ”としても営業しており、シェフ特製の美味しいパスタも堪能できますよ。
こんまい屋
国道438号線を鮎喰川に沿って西へ向かい『馬崎商店』前を左折。国道193号線に入ってしばらく南下した先にあるのが、古民家を改装した雑貨店『こんまい屋』です。地域おこし協力隊として活動していた二人の女性がオープンしたお店は、可愛らしいアイテムがいっぱい揃っています。
店名の“こんまい”とは、徳島の方言である阿波弁で“小さい”を表す言葉です。ここでしか手に入らないオリジナルのデザイン雑貨や焼き物などもあるほか、地元の苔を使った『苔庭ワークショップ』なども実施。神山町に訪れた思い出として、ここでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
四国山岳植物園『岳人の森』
さらに国道193号線を進み、二つの滝が一つの滝壺へと落ちていく『出会い滝』を越えていった先、土須峠(どすとうげ)の近くにあるのが、最終目的地である四国山岳植物園『岳人の森(がくじんのもり)』。入口は複数あるそうですが、こちらがそのうちの一つ。もちろん、歩きやすい服装と靴が必要です。
標高約1,000mの山岳を切り拓いてつくられた森のなかには、写真のヒメシャガをはじめ、シャクナゲやレンゲショウマなど、希少価値の高い高山植物が群生しています。園内にはオートキャンプ場や山荘などもあり、宿泊することも可能です。早朝の神秘的な雰囲気は泊まった人だけの特権。わざわざ足を運ぶだけの価値は十分にあります。
いかがでしたか?
ここで紹介した神山町のスポットは、ほんの一部にすぎません。まだまだ魅力的な場所がいっぱいありますので、ゆっくり散策して、そこで出会った地元の人たちにおすすめを聞いてみてください。ディープな徳島旅行をお楽しみいただけると思います!
瀬戸内Finder編集部
▼記事提供元
「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。