【なかなか見られない冬鳥も】銀世界で見つけた野生動物の暮らし|地球派宣言

2月上旬、県北の北広島町で、野生動物の観察会が行われました。

冬にしか見られない光景を求め、雪に覆われた高原を歩きながら行われた観察会では、なかなか見られない冬鳥にも出会えました。

 

観察会の様子

 

一面、銀世界が広がるこの場所は、八幡高原。

標高約800mの高原にはいくつかの湿地があり、豊かな自然の中、四季折々の姿を楽しめます。

 

八幡高原

 

今回案内してくれたのは、約60年、八幡高原の生態を調査している西中国山地自然史研究会の上野さん。

 

上野さん

 

まず、目に留まったのは、イタチの仲間『テン』の痕跡。

 

テン(北海道にて撮影)

 

寒さをしのぐため、穴から天井裏に入り、子供を産んだり休憩をしたりするそうです。

 

テンがつけた傷あと

 

夜行性の生き物のため、姿を見ることはできませんでしたが、テンの痕跡は雪の上にも。

見つけたのは、足跡。

上野さんによると、テンの特徴は5本の指。上野さんはこの指の数で、足跡を見分けたのだそうです。

この日の積雪量は、約20センチ。10日前から雪が降っていなかったため、足跡を見つけるにはベストコンディションでした。

 

テンの足跡

 

さらに観察を続けていると…『ヤマドリ』の足跡を発見。

 

ヤマドリ

 

ヤマドリは、日本にしか生息しないキジの仲間です。

地上を歩くだけでなく、木に登りヤドリギの実を食べたりもします。

 

ヤマドリの足跡

 

冬の動物たちの暮らしは足跡からだけではなく、植物からも見えてきました。

見つけたのはスギの葉。モモンガの大好物なのだそう。

他にも、ミカン科のキハダの実が落ちていました。

 

キハダの実

 

ミカンの味がするということで参加者の皆さんも試食。

栄養価が高いので、冬の時期、テンやヒヨドリの貴重なエサになっているそうです。

 

キハダの実を試食する参加者

 

観察をはじめて約1時間。今まで足跡を辿って来ましたが、ついに生き物の姿を発見!

出会えたのは『キレンジャク』。

ユーラシア大陸など世界的に分布し、日本には冬になると飛来してきます。特徴は、黄色いしっぽ。

八幡高原には来ない年もあるらしく、今回出会えたことに「ついているね」と上野さんも感動の様子。

 

キレンジャク(提供:原竜也)

 

そしてキレンジャクの仲間で、しっぽが赤い『ヒレンジャク』の姿も。

ヒレンジャクはとても珍しく、世界的珍鳥と上野さんは言います。

 

ヒレンジャク:右側の2羽

 

参加者の皆さんも、キレンジャクの群れや珍しいヒレンジャクを見ることができて良かったとコメント。

雪の中、歩いている道に少し目を向けてみると見えてくるものがありました。

厳しい冬を生き抜く動物たちの姿を感じてみてはいかがですか?

 

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2024年2月7日放送)

SDGs

 

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