もうすぐ公立高校入試・全国で初めて導入された「自己表現」とは?
今月末に迫る公立高校入試。
昨年、広島県の公立高校入試で、全国で初めて導入された「自己表現」。
「自己表現」とはどのようなことをするのか、広島の学生たちはどう思っているのかを取材しました。
【自己表現とは】
「自己表現」とは、どのような入試制度なのか。
広島県教育委員会 高校入学者選抜推進課長の今川 浩之さんに話を聞きました。
「これから社会に出ていくときに必要になってくる力が、中学校卒業時点で、どのくらい身に付いているのかを見るために『自己表現』を実施するとしました」
15歳の生徒に身に付けておいてもらいたい力
面接官の質問に答える形ではなく、まずは5分以内で自己表現を行い、その後質問・回答の時間が設けられます。
そして、「自己を認識」、「人生を選択」、「表現」の3つの力がどのくらい身についているかを各3~5点で評価します。
自己表現では、どういったところを評価して採点しているのでしょうか。
「礼儀作法や話し方のテクニックを見るものではありません。受験者本人が主体となって、自分自身のことを自分で選んだ言葉や方法で、のびのびと表現をしてほしいと思っています」
生徒からは戸惑いの声もあったが、自分について再認識できたというポジティブな意見も
【広島の学生たちの意見】
自己表現の配点比重
自己表現の流れ(出典:広島県教育委員会)
こうした自己表現試験について、広島の中高生はどう思っているのか。
街でインタビューを行いました。
「高校に自分の良い所を分かってもらえる」
「勉強だけでは分からないことがある。個性を見てもらえて良いのかな」
といった賛成意見がある一方、
「試験勉強が増えるのでしんどい」
「私のときは無くて良かったなって。緊張するし大変そう」
といった反対意見も。
前例がない取り組みに戸惑ったという声もちらほら
また、
「人に点数をつけるのは酷な話」
「一人ひとりに個性がある。点数化されるのは違うと思う」
「評価者を同じにすることはできない。しっかりと基準を設けられるならあってもいい」
といった、制度そのものに対して指摘をする学生もいました。
生徒の声と、中学校・高校の声
中学校によって取り組みが違う、教員の負担が増えたといった課題もある「自己表現」。
今後に向けて対策が必要になってくるのではないでしょうか。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年2月7日放送)
ライター:神原知里