地震への備えを考える・家の耐震リフォームや補助制度について解説
能登半島地震からまもなく1カ月。
今回の地震による家屋の被害は、石川県全体では44,926棟と言われています(2024年1月30日午後2時時点)。
地震への備えとして気になる、耐震リフォームや自治体の補助制度について取材をしました。
【広島県の耐震化率は?】
1981年6月に「新耐震基準」が制定されました。
震度6強~7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しないことを基準にしています。
今回の地震で被害が大きかった石川県珠洲市の耐震化率は、「耐震性あり」が51%、「耐震性なし」が49%でした(2018年度末時点)。

一方、広島県の耐震化率はどうなのか。
2020年度のデータですが、「耐震性あり」が84.5%、「耐震性なし」が15.5%です。

【実際に耐震リフォームを行ってみて】
実際に、耐震リフォームを行った方へ話を聞きました。
広島市にお住まいの大田恭子さん。築50年の2階建て木造住宅を、昨年、耐震工事も含めてフルリフォームしたそうです。

このリフォームを担当したのは、マエダハウジングの松本和之さん。
リフォーム前は、
「耐震の面から、倒壊する可能性が非常に高い状態だった」
と話します。具体的にどんな工事を行ったのでしょうか。

「ドアの裏に筋交い(すじかい)という補強を入れています。実際に根元は見えてないんですけど、柱の下、フローリングより下のところで金物がついたりとか、天井より上のところでも金物がついたりしてます。ガチッとかためて揺れも防ぎますよ、という耐震補強です」
明かりをリビングに取り入れたいという思いもあり、耐震化の部分を壁で隠さず、あえて見せるようにしたそう。

また、玄関の壁にも耐震補強が。
「今は壁にクロスが貼られていて見えないんですけど、『構造用合板(こうぞうようごうはん)』を使っており、先程の筋交いと同等の耐震補強をしています」

家全体のバランスを計算しながら耐震補強をしていると話す松本さん。その結果、リフォーム後の「上部構造評点」は1.27になったそう。

大田さん宅は、全体のリフォームをする中で耐震補強を行ったため、耐震補強に関する費用は50万円程でした。
一般的な家で耐震補強だけをする場合は、100~200万円程になることが多いと松本さんは話します。


まとまったお金がかかってしまう耐震リフォームですが、条件を満たせば、自治体の補助制度を利用することができます。
“備えあれば患いなし”。
家の耐震化や防災について、今一度見直してみてはいかがでしょうか。
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マエダハウジング
TEL:0120-164-908
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【広島市住宅耐震改修等補助事業】
・今年度の申し込みは終了
・来年度の申し込みは4月以降の予定
詳しくは、市のHPもしくは広報誌「市民と市政」に掲載予定
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広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年1月30日放送)
ライター:神原知里