親の願望が子どもの夢を潰す?子どもの夢とどう向き合うか考えた
自分の子どもには幸せになってほしい、食べていける仕事に就いてほしい…。
そんな願いが強すぎて、子どもの夢を否定していませんか?子どもの夢と、それを見守る親の役割について、専門家と共に考えました。
【子どもの夢と親の願望】
小学生たちはどんな夢を持っているのでしょうか。
広島市立原小学校で子どもたちに話を聞きました。
創立150周年を記念して、子どもの夢を写真に残すという取り組みを実施(協力:国際総合企画「こども宇宙プロジェクト」)
「絵本作家。絵本が好きで、絵本を描くのが楽しそうだから」
「バスケットボール選手。広島でプレーしたい」
といった、具体的な職業を挙げる子どもが多い中、
「素直に物事を受け止められる人になりたい。人助けができるようになりたい」
と、職業の枠にとらわれることなく、目標を持つ子どもも。
「大人になったらなりたいもの」(出典:2023年3月第一生命保険調べ)と、「自分の子どもに就いてほしい職業」(出典:2023年3月ソニー生命調べ)
一方、「小学生の大人になったらなりたいもの」と、「親が子どもに就いてほしい職業」には違いがあるというデータが。安定しているという理由で、公務員になってほしいと思う親が多いようです。
【子どもの夢との向き合い方】
ドリハラ問題
親子間で、将来の夢に対するギャップがあると、「ドリハラ問題」が起きる可能性があります。親から夢の押し付けや強制をされると、子どもはストレスを感じてしまいます。
大人は子どもの夢にどのように向き合えば良いのか、1万人以上の子どもを指導した実績があるメンタルコーチの飯山 晄朗(じろう)さんに話を聞きました。
「夢がないとダメとは言わないです。夢はあった方がいいですよね、という話です。夢を願望としてとらえたい。願望があるから辛抱ができますよ、という話を僕はよくするんです」
願望があるから、辛抱したり最後までやり抜く力が出てくる。
そして、こうした願望は大人にも必要なことだと飯山さんは語ります。
大人も夢を持ち、それに向かう姿勢を見せることで、「夢っていいな」と子どもも思うようになる
また、子どもの夢への向き合い方について、
「お子さんがこうなりたいと話してきたときに、まずは受け止めてあげてほしい。否定しない」
と飯山さん。
例えば、子どもが「YouTuberになりたい」と言ったら、「みんなを楽しませて愉快にできる人になれたらいいね」というふうに、否定せずに返してあげるようにしてほしいそう。
「子どもの夢を肯定する中でも、サポートしますと押し付けない方がいい。子どもから依頼があればサポートをしてあげたらいい」
失敗をして乗り越える、そして次の成功につなげる経験をする。それが、子どもたちの成長につながっていくのかもしれません。
飯山さんの見解
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年1月10日放送)
ライター:神原知里