政府に届け!子育て世代のリアルな声・本音で子育て座談会
広島に住む7名の子育て世代の男女を迎え、「2023年総ざらい 子育て座談会」を開催。
広島ホームテレビの吉弘翔アナウンサーと、エッセイストの犬山紙子さんと共に、子育て世代の本音について、ざっくばらんに話し合いました。
【異次元の少子化対策を、子育て世代はどう考える?】
まずは、今年何かと話題になったあの件について質問。
「異次元の少子化対策に満足している?」
○を挙げたのはなんと1人のみ
6人は異次元の少子化対策に満足していないという結果に。
現役教員であり、一時期主夫として子育てに専念していたあきふみさんは、
「児童手当拡充や『こども誰でも通園制度』は良いと思う。だけど、それがバラバラ。後からまた変わったりするイメージがあって満足しているとは言いにくい」
と、×を挙げた理由を話します。
児童手当の拡充
異次元の少子化対策の柱となっている児童手当の拡充。
所得制限撤廃、高校生まで支給延長、第3子以降は倍増の3万円となるなど期待されてはいますが、
「扶養控除の縮小の話が出ている。結局思ったほどの額ではないのではないか」
と、座談会参加者たちは不安な気持ちを打ち明けます。
高校生扶養控除廃止の場合、所得税や住民税の負担が増。まさに本末転倒です
扶養控除廃止の動きに対し、犬山さんは
「どうかしている。色々な手当てを打ち消すようなことをなんでするのかな」
とご立腹。
高校生の扶養控除縮小については、政府内からも異論が出ています。
矢田稚子総理補佐官は、高校生の扶養控除は維持し中学生までの年少扶養控除を復活させるべきと唱えており、今後の動きに注目が集まっています。
子育て世代の手取り額を増やすべきという考えを示す矢田総理補佐官
【子育ての悩み】
続いての質問。
「子育ての悩みは?」
この質問について、産休制度を改善してほしいと訴えたのは、2児の母であるしまなさん。
「お腹が大きくなった頃にようやく休めるけど、妊娠してすぐの頃がつわりがひどい。初期流産の割合も高い。妊婦を働かせちゃいけないという子どもでも知っていることをなぜ政府がやってくれないのか」
日本産婦人科学会によると、流産のうち8割以上が妊娠12週未満の早期流産
広島市 子ども・子育て会議の市民委員のとしろうさんは、「こども誰でも通園制度」の利用上限時間を改善してほしいと話します。
こども誰でも通園制度について
保育士さんの待遇改善や、シッターなど柔軟な制度が拡充すると助かると参加者たちは話します。
【自治体ガチャの現実があらわに…】
子育て環境に地域間の格差があると思っている人は約8割にものぼります(出典:「トラストバンク地域創生ラボ」第6回調査)
“自治体ガチャ”と揶揄される自治体ごとで異なる子育て支援。
そこで、この質問。
「自治体の子育て支援に満足している?」
○は4人、×は3人と意見が分かれる結果に
○と挙げたみーさんは
「特に不満はない。ありがたかったことも…ない。(産後)4カ月以内に訪問してくださるのですが、すごくそれが嫌だった。『今子どもが昼寝したばっかりなのに』とか。それで行政に頼らず自分でしようと思うようになった」
と、不満はないけれど満足しているとも言い難い様子。
「以前住んでいた自治体は医療費が無料だった。引っ越してきて違いを知った」
と、×を挙げたあきふみさんは、“自治体ガチャ”の現実を実感したそう。
広島県内のこども医療費(通院)の現状。県内でもこれだけの差があります
自治体の広報誌やサイトは読み解かないと情報にたどり着かないと漏らす参加者も。確かに分かりにくいものが多いかもしれません
市民と行政が対等な立場で、子育て支援を議論することが必要だと話す参加者たち。
「松井市長、やめてほしい」
という参加者の本音も飛び出し、吉弘アナウンサーと犬山さんが思わず焦ってしまう場面もあった子育て世代座談会。
広島の子育てを考えるために、松井市長、湯崎知事、参加をぜひお待ちしております。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年11月29日放送)
ライター:神原知里