世界遺産・原爆ドームのある広島中⼼部エリアに新しい賑わいスポット「ひろしまゲートパーク」が登場しました。かつてこの場所には、広島東洋カープの聖地・広島市⺠球場があり、2010 年の球場閉鎖から13 年の時を経て2023 年の春、市⺠公園として⽣まれ変わりました。今回はひろしまゲートパークの⾒どころと話題のショップをご紹介します。

 

生まれ変わった市民公園「ひろしまゲートパーク」

 

原爆ドームから徒歩すぐ、路⾯電⾞の線路を挟んで向かいにある旧市⺠球場跡地にできた「ひろしまゲートパーク」。広々としたオープンスペースにグリーンが植えられ、都⼼部のオアシスのような憩いのスポットです。

まず注⽬したいのが「ピースプロムナード」。原爆死没者慰霊碑から原爆ドームを南北に繋ぐ「平和の軸線」の延⻑に整備された約190ｍの遊歩道。写真中央の舗装部分の⼀部には路⾯電⾞の被爆敷⽯が。平和への思いが敷き詰められています。遊歩道の両サイドにはソメイヨシノが植えられ、春になると桜並⽊の景⾊を楽しめます。

プロムナードの横にある「⼤屋根ひろば」。公園内はオープンな広場になっているため唯⼀屋根のある場所。取材時は雲⼀つない猛暑で、⼤屋根のおかげで突き刺す⽇差しから逃れることができました。ちなみにこちらは、テーブルや椅⼦が設置されている上、なんとFREE Wi-Fiも完備！休憩スポットとしてだけではなく、お仕事もできちゃうスペースになっていました。ビジネスマンはとっても便利です。

 

訪れた日は8月6日も近く、大屋根ひろばの近くにはおりづるが飾られたオブジェもありました。この光景は平和都市の広島ならではですよね。時期などのタイミングが良ければ見ることができるかもしれません。

夏の暑さには涼が必要！園内の広々したスペースに嬉しいドライミスト噴水。これが本当に気持ちいい。ヒンヤリとしていて熱った体をクールダウンしてくれる、まさに癒やしのエリアです。

 

続いてアーバンアクティビティサイト。常設のスケートボードパーク、ブレイクダンスやBMXなどで利用できるフリースペースが完備されていて、これなら思う存分ストリートスポーツに没頭できますね。

 

元は広島市⺠球場であった名残も至る所に残されています。広島東洋カープの優勝を記念碑や元カープ選手・衣笠祥雄「世界新記録記念碑」が設置してある「勝鯉の森」の前には、旧球場で使われていたベンチが！カープ好きにはたまらない聖地スポットです。ここに座って目を閉じればファンの応援する姿が鮮明に蘇ってきます。栄光の瞬間に思いを馳せるのもエモいですね。

 

グラウンドのピッチャーマウンドとホームベースがあった場所にも記念碑が埋め込まれてありました。広場を歩く時に足元をよく見てみて。「ここにありましたよー！」と記念碑が大主張していますよ！ちなみに、マウンドとベースの距離も忠実に再現されていて、思った以上に遠いことに驚きます。

中央の広場は「ひろしまゲートパークプラザ」が正式名称だそう。看板にもしっかりPLAZAと記載がありました。この広場では年間を通じて小さなマルシェから大型のイベントまで行われています。

 

写真は2023年の夏に開催されたひろしま盆ダンスの様子。縁日や櫓ステージなどが組まれ、多くの人で賑わっていました。平日は穏やかな憩いの場、イベント時は何万人もの人が集まる場。ひろしまゲートパークは2つの顔を併せ持つ広島の新しい交流拠点になっています。

 

人気カフェから広島ゆかりのショップまで揃う商業施設「SHIMINT HIROSHIMA」

ゲートパーク内にある商業施設「SHIMINT HIROSHIMA（シミント ひろしま）」も見てみましょう。木造2階建てのおしゃれな建物の中に、カフェやレストラン、グッズショップ、ジムなどの多種多様な店舗が入っています。フードコートスペースには広島名物のお好み焼きもあります。

SHIMINT HIROSHIMAのオープン後、広島中の話題をさらったハワイアンレストラン「Eggs ’n Things（エッグスンシングス）」。日本のパンケーキブームの火付け役ともあって、ホイップクリームたっぷりのパンケーキを求めて連日行列ができる人気ぶり。ランチ＆カフェタイムは1時間程度の待ち時間は覚悟の上で！

さて、早速うわさのパンケーキを食しに行ってみましょう。

 

店内に一歩入ると、もうここはハワイです。「アロハ〜！」とムームーやアロハシャツを着たスタッフがお出迎えしてくれます。BGMから店内のディスプレイまで何から何までハワイの雰囲気そのまま。観光地エリアということもあり外国人の姿もちらほら。本場ハワイの1号店にいるような感覚になりますね。ちなみに、照明がハートマークになっているのにお気づきですか？こういった演出もカフェ好きとしては見逃せないポイントです。

お目当てのパンケーキを注文しようとメニューを開くと、パンケーキだけでも10種類以上あり、どれも美味しそうなネーミングで選べません。迷ったときは一番人気が間違いない！…ということで「ストロベリー、ホイップクリームとマカダミアナッツ」（税込1,507円）に決定。パンケーキと相性の良いノンアルコールのハワイアンカクテル「ヴァージンマイタイ」（税込825円）も一緒にオーダーしました。

提供時に驚いたのが10cm以上もあるホイップクリームの高さ。さらにパンケーキは5枚もあり、甘酸っぱいストロベリーが1枚につき2〜3個ほど盛り付けられています。ストロベリーは全部で1パック分はありそうです。これは一人では食べきれない…仲間とシェアするのがいいですね。ちなみに、パンケーキは1ヶ月ごとに季節メニューが登場します。バレンタインやクリスマスといったイベント時のアレンジは要チェックです！

ヴァージンマイタイはオレンジジュースとパイナップルジュースにレモンを利かせたトロピカルな味わいです。パラソルピックがのっていて、まるでビーチで飲んでいるような気分を体験できます。このフォトジェニックさに写真を撮らずにはいられませんよ（笑）。

パンケーキ以外もエッグベネディクトやバーガーなどハワイらしいメニューがいっぱい。店長にランチタイムのおすすめを伺ったところ「アボカドチーズバーガー」（税込1,628円）とのこと。写真で分かると思いますが、このボリューム感に二度目の衝撃を受けました。特に海外の観光客から好評をいただいているメニューだそうです。

退店時も「マハロ〜（ありがとう）」とスタッフのお見送りがあり、最初から最後までハワイ気分を満喫することができました。

 

続いて向かったのは、広島発のアウトドアメーカー「野良道具製作所」。店内にはチェアや焚き火棒、ランタン、火バサミなど、キャンプで使う道具がずらり。見ているだけでワクワクしてきます。アイテムの多くは“頑丈な道具を”をテーマにオーナーが自ら設計したものだとか。

中でも気になったのが、ファイヤーブラスター（火吹き棒）の吹き口部分のカスタムパーツです。実は「けん玉」の中皿部分をイメージして作られています。野良道具製作所は廿日市市に拠点があり、「地元の名産品であるけん玉を活用したもので何かできないか」という広島愛から、けん玉メーカーに依頼して製作してもらったそうです。けん玉という発想がなんとも面白い！

来店者の3〜4割が外国人旅行者。ほとんどの人は漢字の看板に興味を持って入店してくるそう。そして店内でこぞって足を止めるのが「酒乱」「酒豪」と書かれたカップのコーナー。取材中の短い時間にも、この商品が売れていくではありませんか。また「野良」というロゴTシャツにも興味津々。なるほど！日本らしいお土産として購入しているわけですね。

アウトドアチェアがよく似合うオーナーの里崎さん。店内のさまざまなキャンプアイテムの使い方も気さくに教えてくれます。お土産やギフトにしたい面白い小道具が多いので、アウトドアに興味のない方でもぜひ足を運んでみてくださいね！

最後に、広島県産の小⻨を使ったご当地パン屋「LUCKY BAKERY（ラッキーベーカリー）」へ。三次市にある本店「mugimugi」の6号店です。店舗の外にも焼き立てパンのいい〜香り！ Eggs ’n Thingsでパンケーキを食べた後だというのに、香りだけでお腹が減ってきます。9時半のオープンとともに、次々に焼きあがってきます。

こちらの店舗、パンの種類がありすぎて、どれにしようかなと店内を行ったり来たり。結局選びきれず、今回は野島店⻑にセレクトしてもらいました。

オススメは三次市の小麦ブランド「三良坂小麦」を使った「ミラクロ」（税込281円）。三次市内での栽培農家が少なく、収穫量も限られているため、ミラクロとシフォンケーキの2品のみに使われているそうです。ミラクロはパリパリの表面にモチモチの食感が絶妙。希少な小麦を使っていることもあり、贅沢感は増し増しです。

他に、広島県産の牡蠣を使った「広島牡蠣グラパン」（税込411円）も必食。牡蠣ベシャメルがこれでもか！というほどぎっしり詰まっていて、POPの記載にもあるように“もはやこれは牡蠣クリームコロッケ”。牡蠣の濃厚な味わいもしっかり堪能できます。夏のシーズンも販売しているので、まだ広島産の牡蠣を食していない方はぜひ！

来店するお客さんの半数は外国人観光客とのことで、ヴィーガンの方でもいろんな種類のパンを楽しめるようにソイレブールというヴィーガンバターを使用した「ヴィーガンあんバター」（税込238円）やお米食パン（税込378円）なども用意されていました。

店内には100種類のパンが毎日並びます。ほぼ毎週新商品が登場するそうで、常連さんからは「まだ全種類食べていないのに、また新しいパンが出ている！」という声も。訪れるたびにいろんなパンに出会える魅力的なベーカリーです。購入したパンはテラス席（4席5テーブル）でいただくこともOK。気候の良い春秋は公園のグリーンを眺めながらのんびりとブレイクタイムを過ごせそうです。

広島の中心部にある市民公園ということもあり、地元の人、国内外の観光客とさまざまな人が訪れるスポットでした。観光やショッピングの合間に立ち寄ってもよし、1日中のんびり過ごしてもよし！楽しみ方無限大の賑わい拠点です。

 

瀬戸内ファインダーライター 川西 紀子

▼記事提供元

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