天空の鏡が映す絶景とグルメ! ⽇本のウユニ塩湖と父母ヶ浜ヴィレッジで1DAYトリップ/父母ヶ浜(香川県三豊市)
香川県三豊市、荘内半島の付け根あたりに位置する「父母ヶ浜」。「日本のウユニ塩湖」とも謳われる人気の絶景スポットです。その美しさと共に、地元の特産品を使ったドリンクやフードが楽しめる海沿いのショップも注目を集めています。ここでしか体験できない絶景とグルメ、瀬戸内の良さがたっぷり詰まった父母ヶ浜の魅力をご紹介します!
「ウユニ塩湖」のようなリフレクション写真で話題に
フォトジェニックスポットとして全国的にも知られている「父母ヶ浜」ですが、かつては夏場にほぼ地元の人だけが訪れるという海水浴場でした。それが、2017年頃にSNSで南米ボリビアの天空の鏡とも呼ばれる「ウユニ塩湖」のようなリフレクション写真が撮れると話題になり一躍有名に。
近年では総合案内所の役割を担う父母ヶ浜ポートをはじめ、さまざまなカフェや飲食店がオープンしています。
鏡に映ったような絶景フォトを撮影するためには、干潮と風がないことが条件。干潮時刻は毎日変わるので、事前に三豊市観光交流局のホームページの『絶景の見頃カレンダー』をチェックしてから行くのがオススメです。
三豊市観光交流局ホームページ↓
https://www.mitoyo-kanko.com/chichibugahama/
訪れた日の干潮時間の予定は13時頃。お昼までに少し時間があるので、まずは腹ごしらえをしに父母ヶ浜ポートに向かいました。
父母ヶ浜ヴィレッジの総合案内所
地元の特産品を使ったドリンクやフードが味わえる「父母ヶ浜ポート」。海水浴客のためのシャワー室や足洗い場などもあります。浜辺で裸足になっても砂が流せるのは嬉しいですね。
おいもフリッターやいりこフリッター、クラフトビール、父母ヶ浜アイスも人気ですが、外せないのは父母ヶ浜の朝昼夕をイメージしたノンアルコールカクテル。
香川県三豊市の仁尾産みかんジュースで作られた「サンセット」、仁尾産レモンシロップを炭酸で割った「レモンコーディアル」、ハーブティの「アーリーブルー」(各税込600円)の3つで、いずれも爽やか&カラフル!3種類とも注文して友達とシェアするグループも多いそうです。
ボリュームのあるメニューも食べたいという声に応え、今年の夏に新登場したのが「ハヤシライス(税込800円)」。地元のお醤油を入れて煮込んだ甘めのルーとオクラやトマトなどの野菜、お米がベストマッチ。讃岐もち麦がプチプチしたアクセントに。仁尾産のお酢で漬けたというピクルスの酸味もいい仕事をしています。
見た目もおいしい!人気ショップがズラリ
父母ヶ浜ヴィレッジの端にあるクラフトバーガーショップ「BAKE STUDIO OKAZAKI」も超人気店。
豊富なバーガーメニューの中からオススメ商品を伺うと、エッグテリヤキ、ベーコンチーズ、そしてアボカドモッツアレラが特に注文されるとのこと。今回はアボカドモッツアレラバーガーとポテト、ドリンクのセット(税込1,530円)をチョイス。
肉厚なパテは見た目からボリューム満点!包み紙に入れてガブっと豪快にかぶりつきます。香ばしいお肉から肉汁が溢れ、クリーミーなアボカドとチーズ、さっぱりしたトマト、レタス、そしてピリっと効いたスパイス……観音寺の麹からタネをおこした生地のバンズが完璧なマリアージュ!!見た目以上にボリューミーにもかかわらず、おいしさに手が止まりません。
次はデザートを!ということで、「BAKE STUDIO OKAZAKI」の隣、屋根のドーナツのオブジェが目印の「DOUGHNUT-HOLIC(ドーナツホリック)」へ。どのドーナツもかわいくておいしそうなので、選ぶのに困ってしまいます。迷いに迷い、「COOKIE&WHITE」とラズベリーの「THE STRIPES」(各税込310円)を選択。
ふわふわした生地がナチュラルな味わいで、ボリュームがあるにも関わらず重たくなく、ペロリと食べられちゃいます。
今度は食後のコーヒーをテイクアウトしようと「宗一郎珈琲」に向かいます。オシャレなワゴンコーヒースタンドでオーナー・今川宗一郎さんご自身のロゴが特徴的。
キリマンジャロベースのオリジナルブレンドのコーヒーも魅力的でしたが、珍しさから「塩カフェオレ(税込650円)」を飲んでみることに。
父母ヶ浜の塩を使用しているという塩カフェオレは、塩とコーヒーの苦みがちょうどよく、クセになる味わいです。
コーヒーは使い捨てではないカップやジョッキで提供し、ゴミを出さない工夫がされています。カップのカラーには「赤:もっとキレイな浜になってほしい」「白:もっと三豊を知りたい」など、それぞれメッセージが紐づけられており、購入者がどれを選ぶかで優先的に改善が進められるそうです。
干潮時間を待っていざ撮影!
そうこうしていると大分潮が引いて干潟が現れ、遠浅な浜辺にいくつか潮だまりができてきました。父母ヶ浜ならではのリフレクション写真を狙い、干潟へと出発!
干潟は靴のまま歩けますが、写真を撮るためには潮だまりを越えた海側に行く必要があるので、洗えるサンダルや長靴、もしくは裸足がオススメです。
砂の上には流木やゴミといったものがなく、父母ヶ浜が美しいのがよく分かります。
潮だまりの前で赤い傘を掲げてポーズ。風があると水面が波立つため、キレイなリフレクションにはなりません。水面ギリギリでカメラを構えると、空と水面の境界線が少なくなり、よりエモい写真が撮れますよ!
スマホや手持ちのカメラでも素敵な写真が撮れますが、「大人数で撮りたい!」「思い出に残る絶景フォトが撮りたい!」という方は、三豊市観光交流局が提供している『絶景フォト撮影プラン』もあるのでぜひ利用してみてください。
絶景フォト撮影プラン↓
https://www.mitoyo-kanko.com/photoplan/
地元愛が溢れたスイーツと名品たち
干潟でしばらく撮影を楽しんだ後は、「KAKIGORI CAFE ひむろ」のかき氷でクールダウン。「地産地消氷」がコンセプトで、三豊産の旬の果物を使ったかき氷が楽しめます。
一番人気はいちご(税込850円)。三豊産のイチゴの甘みとほのかな酸味、ふわふわの氷が口の中で溶けだす、優しい味わいのかき氷です。
仁尾産レモンのサッパリした「仁尾れもん」、財田産の「すいか」など、地元の食材を使った季節限定メニューも色々あります。ワンちゃんと一緒に座れるテラス席もあるので、散歩の途中で寄られるお客さんも多いそうです。
続いて、お土産を買おうと「百歳書店」へ。名前は本屋さんのようですが、本は売られていません。地元で愛され、“百年続く企業”や“百年先も続いてほしい”という商品が集まったお土産物屋さんです。
なぜ「書店」なのかというと、商品ごとに添えられている本に秘密があります。本を開いてみると、最初のほうのページには作り手による商品の特徴や創業時の話が書かれており、後の白紙ページに手書きメッセージが貼られています。
この手書きのページは、お客さんが紙に作り手さんや商品に対するメッセージを書いて専用の箱に投かんすると、対象の本の白紙ページにそれが貼り付けられるという仕組みだそうです。
本を通して見た目だけでは分からない商品の物語を読み、応援の気持ちや感想を伝える。吟味して選んだ商品に対してますます愛着が湧いてくるようです。作り手とファンの想いによって作り上げる1冊の本。ロマンティックなコミュニケーション方法ですよね。
香川県の伝統工芸品として知られる「讃岐かがり手まり」、父母ヶ浜の砂の砂時計、地元製麺所のうどん、お醤油など、地元民に愛される品が並びます。
この仁尾産のお酢は280余年続く老舗のお酢製造会社で、近隣ではどの家庭にも1本あるほど地元ではメジャーな一品だそうです。
本の中には父母ヶ浜の清掃活動を続ける「ちちぶの会」の本も。父母ヶ浜は地形上瀬戸内海のゴミが流れ着くため、1994年頃は海岸にゴミが沢山あり、埋め立て構想さえ持ち上がっていたそう。そんな中、地元の人々が浜を守ろうと立ち上がり、毎日ゴミ拾いを実施。現在の美しい浜は地元を愛する「ちちぶの会」の皆さんの活動のおかげなのです。
地元の人々に守られた美しい夕景
父母ヶ浜は「日本の夕陽百選」にも選ばれたことのある夕陽スポット。特に夕陽が潮だまりに反射してキラキラと黄金に輝く光景は息をのむほど。
この日の夕方はあいにく潮が満ちるタイミングだったので夕景は撮影できませんでしたが、日の入りと干潮時間が重なると、こんな絶景写真を撮ることもできます。
父母ヶ浜に来た時には、美しい景色、おいしいグルメを楽しみながら、地元の人々の努力や深い愛情に思いを馳せてみてくださいね!
瀬戸内ファインダーライター 小藪 佳
▼記事提供元
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