広島の里山で見つけた小さな春 ミツマタと山野草たち【地球派宣言】
2020.04.03
2022.04.28
広島県安芸高田市。山裾に流れる川のほとりで「小さな春」を見つけました。
枝に、黄色い、かわいらしい花をつけているのは、見ごろを迎えた「ミツマタ」。緩やかな傾斜一面、まるで絨毯のように咲きほこっています。
地元の人たちにとって、ミツマタの花は早春のシンボル。草刈りや歩道の整備をしながら、ミツマタを守っています。
安芸高田市の向原は、戦後間もないころ、和紙の原料となるミツマタなどを育てていました。
産業の衰退と共に、ミツマタは放置されたままになっていましたが、繊維が強く独特の手触りがあるため、明治時代から紙幣の原料として利用されています。
つぎに見つけた小さな春は、県の準絶滅危惧種に指定されている、わずか5ミリほどの小さな花「ヒメニラ」です。
三次市作木町にある、大銀杏の木で有名な神社の敷地には、帝釈峡と同様の石灰岩が混じっている特殊な地質と古生層もあり、ヒメニラなど貴重な植物が花を咲かせています。
花に近づいてみると、かすかにニラの匂いがします。
もうひとつの小さな春。
可憐な花を咲かせているのは「ホソバナコバイモ」です。筒状の鐘のような形の花が特徴です。
雑草に負けず、健気に咲く小さな花たちが、春の訪れを教えてくれています。
広島ホームテレビ『みみよりライブ 5up!』
地球派宣言コーナー(2020年4月1日放送)