近年急増するモラハラ離婚の原因は?変わりゆく夫婦の在り方について考えた
厚生労働省の統計では、婚姻数は約50万組。そして、離婚数は約18万組。
つまり、3組に1組の夫婦は離婚しているということになります。
近年増えている「モラハラ離婚」や、時代とともに変わる夫婦の在り方について考えました。
3組に1組は離婚しているという現実(出典:厚生労働省「人口動態統計」2022)
【時代と共に離婚理由に変化が】
なぜ離婚するのか。その理由は時代と共に変化しています。
離婚理由ランキング(出典:アディーレ法律事務所「パーフェクト離婚ガイド」)
昭和、平成では1位、2位に違いはなく、また、妻の離婚理由も変化はありません。
しかし、令和では「精神的虐待」が夫も妻も離婚理由に入っています。
いわゆる、“モラハラ”が離婚理由の多数を占めるようになりつつあります。
離婚理由2000年→2020年 増減比較(出典:プレジデントオンライン荒川和久記事より 司法統計)
【モラハラが増加している理由】
モラハラがなぜ増加しているのか。
夫婦問題の研究家で、結婚・離婚のカウンセリングも行っている岡野あつこさんに、その理由を聞きました。
「コロナ禍を経て、仕事やプライベートのストレスが増えたことが、モラハラにつながっている。今までは身体的暴力が多かったのですが、こうしたDVは犯罪だというイメージが強くなってきているため、暴言など精神的に追い詰める行為に変えて“これは暴力じゃない”と思う人が増えている」
これまでは、夫から妻に行われることが多かったモラハラ。
しかし最近では、妻から夫に行われることも増えているそう。
「子育て、仕事、環境の変化でモラハラが生じるケースがあります」
モラハラと子育ては、大きくつながっている
モラハラによる夫婦関係の終焉を防ぐには、相手を認めることが大切だと岡野さんは話します。
「大概の夫婦は良いところは当たり前で、悪いところを減点する減点方式。良いところは当たり前じゃない。良いところを認める加点方式の方が上手くいきやすい。3ヵ月から半年やってみて、手応えがあれば、モラハラはなおると思います」
【あなたは大丈夫?モラハラチェックリスト】
「自分は絶対に大丈夫」
そう思っている人もいるかもしれませんが、果たして本当にそうでしょうか?
下記の「モラハラチェックリスト」で、自分やパートナーはモラハラ予備軍ではないか確認してみましょう。
モラハラチェックリスト(引用:モラハラ離婚ナビ)
3つ以上当てはまる人は要注意。モラハラ予備軍かもしれません。
【変化する夫婦の在り方】
離婚理由にモラハラが増加する中、夫婦のパワーバランスも変化しています。
家庭の総合的な決定権は?(出典:博報堂生活総研「家族調査」)
広島の街でインタビューをしてみると、
「パワーバランスは妻が100で僕は0(笑)」
「それは言い過ぎ!」
と話すご夫婦や、
「死ぬまでは理想の夫婦だったかは分からない。そう思えるようになりたいね」
と話す結婚30年目のご夫婦も。
夫婦の数だけ夫婦の形があるようです。
時代の流れと共に、夫婦の在り方も変化しているのかもしれません。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年10月18日放送)
ライター:神原知里