高騰する教育費・国の助成金や賢く備える方法をFPに聞いてみた
物価高を実感されている方も多いと思いますが、教育費も高騰しています。
家計相談歴30年のファイナンシャルプランナー・波多間 純子さんに、今後教育費をどう備えれば良いのか聞きました。
値上がりがあった学校費(テラコヤプラスbyAmeba調べ)
【教育費の公的助成】
教育費が高騰する中、国の助成金制度に変化が。児童手当は2024年度中に拡充案実施が検討されています。
教育費の公的助成
児童手当の拡充(案)
高校生への助成金には「高校等就学支援金」が挙げられます。
2020年からは私立高校の授業料も支援対象となっています。
世帯年収の制限があり、公立高校は910万円未満、私立高校は560万円未満が目安です。
高校等就学支援金(出典:文科省リーフレット)
2017年に「高等教育就学支援制度」が誕生し、大学や専門学校といった高等教育に対する支援を受けることができます。
授業料や入学金の免除・減額と、返さなくて良い給付型奨学金の支給がこの制度の特徴です。
高等教育就学支援制度の例
世帯年収制限の目安が380万円と非常に厳しく、給付型の内容は世帯収入によって受け取れる金額が決まっています。
2024年度から制度が変更され、多子世帯(満18歳未満を3人以上扶養)や理工農系に進学する学生にも拡充されます。※どちらも世帯年収600万円までが目安
給付型の内容は世帯収入で変わる ※市立大学に自宅外から通う場合、金額は半額、年収は目安
こうした助成金に関する情報を仕入れ、教育費を備えることが大切です。
【教育費を貯めるには】
教育費を賢く備えるにはどうすれば良いのでしょうか。波多間さんは「お金の貯め時とかけ時を意識してほしい」と話します。
出産から大学までかかる費用イメージ(子ども1人当たり)
「高校まではお金の貯め時、高校以降の進学でお金を使うかけ時とイメージすることが大切。
貯め方としては、児童手当を温存することや、子どもが誕生してから月1万円貯金をすること。
この2つで最大450万円、私立文系の授業料に相当しますから、これだけでも安心感が出るんじゃないかな」
と提案します。
高校までの教育費は、子ども全員分で家計支出の2割を上限にしてほしいそう。
波多間さん流・教育費の貯め方
波多間さん曰く、「教育費はイメージトレーニング」。
子どもにどのような人生を歩んでほしいのか、ということをまずは考えてみることが教育費を備える上での第一歩なのかもしれません。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年10月10日放送)
ライター:神原知里