株式会社五興の新オフィス「g-lab」。これからの働く空間づくりのヒントになるライブオフィスを見学!
広島市安佐南区にある株式会社五興は、オフィス家具・事務用家具の提案販売、建材内装等の工事を通じて、オフィスや店舗などの空間をトータルプロデュースする事業を行うほか、すべての仕事場に必要なオフィス用品・文具などの通販サービス「アスクル」のエージェントとしても知られる会社です。
写真提供:株式会社五興
五興は、2001年に建てられた社屋のオフィスを2020年にリニューアルしました。
こちらの社屋1階は五興の社員の方たちが実際に働いているオフィスですが、オフィスのリニューアルやレイアウトの変更、働く環境の改革を考えている方に向けて、ショールームのようなライブオフィスとして見学できるようになっています。
近年のオフィスは、一昔前のようにデスクがずらっと並ぶ殺風景な空間から脱却し、一見オフィスとは思えないようなくつろぎの空間があったり、決まった席を持たないフリーアドレスなど、自由で開放的なワークスタイルが人気です。
でも、人気とはいえ「突然フリーアドレス化してちゃんとオフィスとして成り立つの?」とか、「カフェみたいな場所で落ち着いて仕事ができるの?」という疑問や不安は当然ありますよね。
また、オフィス空間を改革したくてもどこをどう変えていいかわからないという会社もあるでしょう。
五興のリニューアルオフィス「g-lab」はオフィスのトレンドを取り入れ、ワンフロアにフリーアドレスのワークスペース、くつろげるカフェのようなスペース、そしてミーティングスペースを設けています。
その空間を実際に見ながら、そこで働いている方の生の声を聞くことができるのが、ライブオフィス見学の大きな魅力なんです。
株式会社五興の柳川社長にお話を伺いながら、「g-lab」を見学してみました!
ワンフロアに役割の異なる3つのスペース
会社玄関から入ってまず目に飛び込んでくるのは、オフィスとは思えないカフェのような空間です。
しかし、オフィス全体がカフェテイストというわけではなく、仕切りの反対側はこれぞオフィスというようなデザインとレイアウトになっています。
そして、ガラスだけで仕切られたミーティングスペースもあります。
スペースを分けているとはいえ、壁もないワンフロア。気分を切り替えるのは難しいのでは、と思っていたのですが、「g-lab」にはワンフロアでも雰囲気や気分を変える工夫が随所にありました。
たとえば天井。
カフェ的スペースを見ると、天井に黒で塗装された木の梁があり、天井が一段下がったような感じで、空間が区切られているのがはっきりわかります。
五興がもともと木工所から始まったことから、木をデザインに取り入れることにこだわったのだそう。黒で塗装されていながら、よく見ると木目が感じられ、シックでおしゃれな仕上がりです。
それから、昼間はちょっとわかりにくいですが、照明にも違いがあります。天井のダウンライトを見ると大きさや数が違うことがわかりますよね。
照明はワークスペースの方が明るめに設定されているそうです。
カフェ的スペースは暗めに設定されてはいますが、右側はすべて窓になっているので、日中は自然光が入ってとても明るい印象です。
日が落ちて暗くなってくるとまた印象が変わり、落ち着いた雰囲気になるのだとか。
違いは床にも!
実は見学中床材をまったく意識していなかったのですが、右のカフェ的スペースは木目フローリング調のナチュラルな床材、左のワークスペースはデニムのような落ち着いた色合いのカーペットになっています。
意識してみると、これも雰囲気を変える大きな要素のひとつになっているんですね。床材や、カーペットの色を変えるだけでもガラッと印象を変えることができそうです。
フリーアドレス化で社内コミュニケーション増
オフィスチェアはすべて種類が異なっていて、見学に来られたお客さんが比較検討しやすそう!
ワークスペースは、内勤の方々は決まった席を持ち、デスクトップパソコンを使用して仕事をされていますが、それ以外の方々は個別に決まったデスクを持ちません。フリーアドレスが導入され、デスクの上は固定電話と卓上カレンダー以外は何もない状態です。
決まった席がないので毎日違う人と隣り合うことも多く、自然とコミュニケーションが増えていったのがよかったポイントだそう。
業務に必要な紙の資料などはすべて壁面のロッカーに収納されています。
社員さんによっては、小さなロッカー1つだけですべてを収納している方もいるのだとか!
フリーアドレスを導入して1か月ほどは、毎日違う席に座って、必要な資料を出し、終業時にはまたロッカーにしまう、という一連の作業が面倒で苦痛に感じる方が多かったそうですが慣れもあり、今ではこのスタイルが定着しています。
紙の資料をおさめるスペースも有限なので、不要な資料はすぐ処分するとか、紙ではなくデータで管理するとか、ペーパーレス化にもつながったそう。
近年は昇降デスクも人気ですよね。
長時間座りっぱなしになるのを防ぎ、腰痛やさまざまな病気のリスクを軽減できるということで注目されています。
実際、五興の社員さんの中には昇降デスクを好んで使われる方がいて、ほとんど立ちっぱなし、座っていることのほうが少ないとか。
フリーアドレスにしたことで、自分の好みに合ったスタイルで働けるのもいいですね。
昇降デスクでも、椅子の高さを調節すればこんなふうに腰掛けながら使うこともできます。
ミーティングを効率的に
テーブルを高くした状態
立ったままといえば、ミーティングスペースにあるテーブルも昇降するタイプが採用されています。
テーブルの天板にはスイッチ等見当たらずフラットですが、端の赤く光る部分を触ると「+」「-」の表示にかわり、ここで上下の昇降を操作できます。
椅子に座らず立ったまま行うスタンディングミーティングは大人数が集まってのミーティングも可能で、人と人との距離が近くなることでコミュニケーションが活発になります。また、立った状態でミーティングをすることで、時間短縮にもつながり、効率アップが実感できたといいます。
ミーティングスペースはガラスだけで区切られていますが、ロールスクリーンで外からの視線を遮ることも可能。
また壁には吸音パネルがあり、音漏れにも配慮され、目立たず、おしゃれなインテリアにもなっています。
楽しく働いて人が集う空間をつくる
リニューアルする時に意識したのは、「楽しく働いて人が集う空間をつくろう」ということだったそう。
フリーアドレス化し、完全な個室をつくらず、オフィス的なスペースとカフェ的なスペースを組み合わせること。
最後に紹介するこちらのカフェ的なスペースは、ここまでに紹介したワークスペース、ミーティングスペースとは趣が異なり、オフィスらしい要素が取り払われています。確かに楽しく働けそうな雰囲気です!
こちらのスペースで作業や打ち合わせをする場合に気になるのは電源ですが、床や柱周辺を見ても電源コンセントは見当たりません。
ベンチの下を見ると、こちら側には数か所あるようです。
それ以外の場所ではどうするのか。場所にとらわれず自由に働くのに便利なのが、ポータブルバッテリーです。1台につきUSB端子が何か所かあり、ここから電源をとることができます。
何より、カフェっぽい雰囲気の中に置いておいても溶け込んでしまうデザインがいいですね。
ポータブルバッテリーを使うことで、床がコード類でゴチャゴチャすることもなく、空間がすっきりと整います。
個人の作業だけでなく、打ち合わせをするにもちょうどいい場所。
仕切り窓を閉めるとパーテーションになります。また、スピーカーから特定の音を出すサウンドマスキングを使えば、もっと音漏れ対策ができます。
ひとり黙々と作業できるスペースもいくつかあります。
こちら側のスペースは、打ち合わせや作業以外に、お昼の食事の時にも利用されているそうです。
今回の体験を通じて、オフィスを改革するには、新しいオフィス家具を取り入れる以上に注目すべきところがたくさんあることがよくわかりました。
空間の分け方、明るさ、音、インテリア……、オフィス全体を本格的にリニューアルすればもちろん環境や働き方も大きく変わりますが、ポイントを絞ってこだわればたったひとつの変化でも視覚的な変化を持たせることができるはず。
「カフェっぽくしたい」とか「おしゃれな空間にしたい」というざっくりとしたイメージだけではなかなか形にするのは難しいですが、こうやって実際にライブオフィスに訪れてみると、空間づくりのヒントがあちこちにあり、参考になります。
そしてもちろん、五興は空間プロデュースをしている会社ですから、希望や予算に合ったアドバイスがもらえます。
最後に、オフィス内を案内してくださった柳川社長にコメントをいただきました。
株式会社五興 柳川征裕社長
「『g-lab』は小さい空間ではありますが、限られた空間にいろんな要素を詰め込んでいます。
みなさんにはきっと『こういうオフィスにしたい』とイメージするものがあるはず。見学する中でイメージや希望に合うもの、合わないものが見つかると思います。
この「g-lab」オフィス見学が、オフィス家具選びに留まらず、オフィス全体の空間づくりのひとつのきっかけや参考になればうれしいです。
ぜひ一度足を運んで、体験してみてください」。
株式会社 五興
住所 | 広島市安佐南区伴南1-3-16 |
電話番号 | 082-849-4680 |
HP | https://www.go-ko.jp/ |
見学のお問い合わせ | https://www.go-ko.jp/inquiry.php |
ライター 東 滋実