ミミズで生ごみを堆肥化。光和商事「ミミズコンポスト」で環境意識を育むミミズプロジェクト
土木資材やコンクリート製品を販売する光和商事株式会社(広島市南区)は、環境への取り組みの一環として、家庭用ミミズコンポスト容器「金子みみずちゃんの家」の製作・販売を行っています。
光和商事のミミズコンポスト事業が始まってから14年。現在は東広島市との連携で市民の資源循環への意識を高めるための「ミミズプロジェクト」として、体験型環境学習も行っています。
ミミズコンポストとは?
家庭や飲食店、学校、福祉施設などで出る生ごみは、ごみとして出せばごみ処理施設で焼却され、CO2を排出することで地球温暖化の原因となります。
しかし、有機物を食べて分解するミミズの力を借りれば、生ごみは堆肥になり、野菜や花などの植物を育てるための栄養に生まれ変わるのです。
調理する時に出るくずや食べ残しなどの生ごみをミミズのいる箱に入れると、ミミズがそれを食べて分解し、堆肥化してくれます。これが「ミミズコンポスト」です。
シマミミズ
世界にミミズは何千種類と存在しますが、ミミズコンポストができるのはシマミミズだけ。体長5cm~10cm程度のこの小さなミミズが、生ごみを食べて堆肥に変えてくれるのです。
ミミズは交尾をすると卵を産み、その卵は約3週間で孵化し、約8週間をかけて大人になります。さらにそのミミズが卵を作れるようになるのが約2週間。卵を産むようになると、6か月から1年ほどの間、週に2~3個の卵を産み続けます。1個の卵からは2~3匹のミミズが生まれるというので、すごい繁殖力です。
ミミズコンポストを利用する間、ミミズは箱の中でどんどん繁殖するので、生ごみを堆肥化する量もどんどん増えていくというわけです。
東広島市と連携「ミミズプロジェクト」
光和商事のミミズコンポスト事業は、代表取締役社長・久保幸路さんの発案2009年にスタート。今年2023年で14年目になります。
東広島市内の小学校に設置された木箱型のミミズコンポスト
そして2021年からは、東広島市との連携による「ミミズプロジェクト」も始まりました。東広島市内の保育園や小学校、飲食・福祉施設など10数か所に大型の木箱型ミミズコンポストを設置し、施設で出る給食残渣などを堆肥化。それを施設内の畑や花壇で利用して資源の循環を感じてもらうという体験型環境学習の取り組みです。
ミミズプロジェクトに携わる光和商事の久保さん(右)、別府さん(左)
光和商事は、設置された施設1か所あたり年4回メンテナンスを行い、併せて「みみず授業」を行っています。
授業のようす
パネルシアター
授業ではパネルシアターを使って簡単にミミズの身体のつくりやミミズコンポストについて説明し、その後にミミズコンポストに大事なことは「水」「空気」「土(おうち)」「えさ(ごはん)」のほかに、「愛情」があるということを伝えています。
ミミズコンポストの利用にコツのようなものはあるものの、ミミズ自体はあまり手のかからない生き物。それでも、愛情を注げば注ぐほど元気になったり、数が増えたりするのだと教えることで、子どもたちのやる気を引き出しています。
ミミズの堆肥で育ったひまわり。屋根の高さを超えるほどよく育っている
生ごみを堆肥化して循環させることで新たな資源に生まれ変わるということを学んでもらい、「世の中にムダなものはない」と感じてもらえる。そして食育や環境問題・社会事象への関心も高まることを期待しています。
さまざまな環境問題が叫ばれる今の時代、どんな問題があって、その解決のために私たちは何ができるのか。子どものときから学ぶ機会をもち、知っておいてもらいたいという思いで続けられている光和商事の取り組みでした。
ひろしまエコステップとは?
「記録的な豪雨や猛暑」、毎年のように発生する「自然災害」など、広島でも生活の中で異常気象を感じることが多くなりました。地球の未来を守るため、環境問題について「知る」「学ぶ」「行動する」ことで、環境にやさしいライフスタイルの「実現」に向け、ステップアップしていきませんか?
公式サイト:https://www.home-tv.co.jp/home/ecostep2023/