30年変わらぬテールスープが行列を呼ぶ、おばんざいの店かんすけ|広島市中区
JRとアストラムライン、どちらの駅もあることから利便性が高い「新白島駅」周辺エリア。新しいお店と昔から愛されてきたお店のどちらも豊富で、地元民だけでなく遠方から足を運ぶ人も珍しくありません。
そんな新白島エリアから今回は、昭和57年開業、40年以上続くおばんざいのお店「かんすけ」にお邪魔してきました。
お客さんの8割が注文するというテールスープの人気の秘密も、伺ってきましたよ。
ハーフセット(テール温麺とステーキ丼)
ハーフセット(テール温麺半分とステーキ丼半分) 1,540円(税込)
ハーフセットは、テール温麺とステーキ丼それぞれハーフサイズがセットになったメニューです。
ステーキ丼のソースは”しょうゆ味”で、タレが染み込んだご飯も食欲をそそります。
テール温麺
テール温麺は、テールスープの中に韓国冷麺で使用される麺が入っています。韓国冷麺の麺は強いコシとスープが絡みやすいのが特徴で、のど越しも最高です。
お店に訪れる人の8割以上はテール温麺もしくは、テール温麺がセットになったハーフセットを注文するのだそう。
なお、元々はテールスープのみの提供でしたが、約30年前に常連さんが自分で入れたい麺を持ってきてテールスープに入れて食べだしたことからテール温麺が始まったのだそう。
そうめんや中華麺など、さまざまな麺を入れてきた結果、韓国出身のお客さんが持ってきた韓国冷麺がマッチ!30年以上続く人気メニューになりました。
韓国冷麺を使用していることもあり、トッピングもキムチと白ごま、ネギ唐辛子が並びます。お好みで入れると、味変になって最後まで新鮮な気持ちで食べ進められますよ。
キムチを入れると一気に韓国風に変化するため、おすすめです。
ハーフセットには、日替わりのおばんざい3種と漬物がついています。取材に訪れた日は、だし巻き卵、茄子の揚げびたしと淡竹、ほうれん草の和え物のおばんざいに、ワサビ昆布と白菜の漬物というラインナップでした。
なお、お客さんが多いとランチ営業中に品切れになることも。その場合は、違うおばんざいを出してもらえます。これまで、ひじきの煮物や小松菜のおひたし、高野豆腐などのおばんざいが小鉢として並んだことがあるとのこと。
どのおばんざいがつくのかは、その日のお楽しみ!何度訪れてもワクワクできますね。
和風ステーキ定食
和風ステーキ定食(ポン酢・みそ味・しょうゆ味) 1,540円(税込)
和風ステーキ定食は、ご飯、ステーキ、味噌汁、おばんざい3種、漬物がついたお得なセットです。おばんざいはハーフセットと同じ内容ですが、味噌汁とステーキのタレが選べるのが特徴。
タレはポン酢、しょうゆ、みその3種類あり、ポン酢は漬けダレとして、しょうゆとみそはかけダレとして提供されます。
今回は、お店の方おすすめの「ポン酢」でいただきます。ステーキにはかつお節が乗っており、さっぱりとした味わい。
お肉はミディアムレアで柔らかく、脂がしつこくないのでどんどん食べられますよ。
味噌汁にはもずくとゆずの皮、カイワレ大根が入っており、やさしくホッとする味わいになっています。
8割が注文!テールスープの秘密とおばんざい
テール温麺
夫婦2人で営む小さなお店ですが、ランチ時間帯のお店の中は常に賑わっています。
ランチ利用者の8割が注文するというテール温麺。ハーフセットはお得感もあるため、ひっきりなしに注文が入ります。テールスープの秘密と、おばんざいについて伺ってきました。
煮込みは約6時間!さっぱりした味つけが特徴
テールスープ
テールスープは大きい鍋で6時間ほどことこと煮込みます。店主いわく「弱火でじっくり中に火を通すことで身が崩れにくく骨髄のうま味を引き出すことができるんです」とのこと。
煮込むときはシンプルにテールとコンソメを少し入れ、あとは脂をできる限り取り除きます。
そのあと粗熱をとって冷蔵庫で1日寝かせます。お客さんに提供するときに、かつおなど和風の出汁と合わせて仕上げるのだとか。ゆずの皮が入っているのも和風に仕上げる秘訣。
「かんすけのテールスープは、臭さやしつこさがなく、あっさりしているのが特徴なんです。女性でも食べやすいはず」と話してくれた通り、スープは後味がスッキリとして鼻に抜ける香りにも臭さがありません。
なお、写真のお鍋の量で約25人前、一日のランチ営業で鍋一個分はカラになり、足りないそうですよ。
おばんざいは店内仕込みを日替わりで
おばんざい
「夜の営業はカウンターにおばんざいが並ぶ昔ながらのお店なんです。その内容をランチでも少し提供しています」と、話してくれました。
取材に訪れた営業時間後は、もうほとんどのおばんざいが完売!この日も営業途中でおばんざいが品切れになり、内容を変更したそうです。
「夫婦2人の小さな店なので、ランチ営業後に仕込みも必要になりますし、夜にお店を開けるかはその日次第です。今後はランチメインのお店に切り替えるかもしれません」とのこと。
多くの人の心を掴んで離さない「おばんざい」。どれも手が込んでおり、ほかの種類をもっと食べたくなりました。
「最近は若い女性の一人客も増え、地元民以外の人が多いかも。ありがたいことです」と、話すおかみさん。
取材に訪れた日も、若いカップルや女性一人客も見られました。一人で入りやすい雰囲気なのもうれしいですね。
かんすけの基本情報とアクセス
かんすけ・外観
アストラムライン「新白島駅」を下車後、マクドナルドと反対側に渡り、城北方面に向かって進みます。セブンイレブンやコスモス薬局を通り過ぎてすぐの角を左折。西白島公園の斜め向かいに「かんすけ」はあります。
新白島駅から徒歩3分程度の距離に位置しています。
●かんすけの基本情報
かんすけ・ランチメニュー
住所 | 広島県広島市中区西白島町13-36 |
TEL | 082-223-4194 |
営業時間 | ランチ11:00~14:00(L.O13:30)/ディナー17:00~21:00(L.O20:30) ※ディナー営業は予約制・ランチは予約不可 |
定休日 | 日曜、祝日 |
駐車場 | 店前3台 |
支払い方法 | 現金、PayPay |
ガツンと刺激的な料理も良いですが、おばんざいのやさしい味は懐かしく温かい気持ちにさせてくれます。店主と奥様の人情溢れる空間は人気の理由のひとつかもしれませんね。
ランチは予約不可で連日行列ができるため、時間に余裕を持った来店がおすすめです。ぜひ一度、かんすけのおばんざいランチに舌鼓を打ってくださいね。
ライター/丸山希
※掲載している情報は2023年6月取材時点のものです。公開後内容が変更している可能性があります。