子育てのしやすさにつながるの?賛否両論な子育て政策
これから本格導入されるかもしれない、賛否両論な子育てに関する政策をご紹介。
こうした子育て政策について、広島の街の人たちにも意見を聞いてみました。
【こどもファスト・トラック】
まず紹介するのは「こどもファスト・トラック」。
子ども連れや妊娠中の女性などが、長時間並ばずに優先して入場できるようにするというものです。
「こどもファスト・トラック」をすでに導入した施設もあります
政府は今後、郵便局や役所の窓口、運転免許更新センターなどで「こどもファスト・トラック」の設置を検討しているそうです。
この政策について、広島の街の人たちの意見を聞いてみました。
「賛成です。子育て中の人をみんなで応援してあげるべき」
「反対。施設によっては高齢者もいるし、平等な方が良いのでは」
と、街の人たちの意見もさまざま。中でも一番多かった声が、「子どもってどこまでがラインか分からない」というもの。
実際、「こどもファスト・トラック」の対象は、未就学児・小学生・高校生までと施設によってさまざま。
施設によって対象年齢が異なっているのが現状
また、京都府では「きょうと子育て応援レーン」を2020年から設置しています。
京都府は出生率が40位台。それを改善をしていきたいという狙いもあり、こうした取り組みを行っているそうです。
きょうと子育て応援レーン
【ラーケーションの日】
「ラーケーション」とは、”learning(学習)”+”vacation(休暇)”を合わせた造語。
愛知県内の公立学校で導入が進められている「ラーケーションの日」は、保護者の休みに合わせて取得し、家族一緒に社会学習を楽しむ、という制度です。
「ラーケーションの日」は欠席扱いにならないそう
校外学習と位置付けられている「ラーケーションの日」。
導入を進めている愛知県は、博物館や美術館に行くといった活動を想定しており、家族と一緒にこうした経験をすることで、学校とは違う学びがあると期待しています。
愛知県が想定する校外学習
テーマパークで遊んでもOK。禁止事項やレポート提出などもないそう
「ラーケーションの日」は、保護者の有給休暇取得促進や、休み方改革にもつながるといった狙いがあるそうなのですが、広島の街の人はどう思っているのでしょうか。
「賛成。共働きで子どもと休みが合わない人にとって、家族の時間になる」
「自分は仕事の都合上、平日休みなので、平日に出かけることができるのはありがたい」
といった肯定的な意見がある一方、
「反対。学校を休ませてまで旅行に行くのは…。」
「学力面で他の子と差がついてしまうのでは。校外学習なので、何を勉強するのか、何をしてきたかといったレポートはいるかも」
といった意見も挙がりました。
「ラーケーションの日」が全国で実施されたら活用したい、と答えた人は約8割。
日数やレポートの有無など、課題はあると思いますが、実施されれば利用してみたいという人が多いようです。
ママスタセレクト調べ「ラーケーションの日について」2023年3月回答数2,093票
賛否両論ある子育てに関する政策。
こうした政策が、子育てのしやすさに本当につながるのか、実際に子育てをしている人たちが望むものなのかを議論し、実施後に検証を行い、よりよい政策に見直していくことが大切なのではないでしょうか。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年5月17日放送)
ライター:神原知里