広島で研究!気候変動に左右されない次世代型の野菜づくり|地球派宣言
2023.05.18
庄原市にある県立広島大学庄原キャンパスでは、気候変動に左右されない次世代型の野菜づくりを目指した研究が行われています。
その拠点となる施設が2021年4月にオープンした「人工光植物工場」。
県立広島大学庄原キャンパス
人工光植物工場内
人工光植物工場は、太陽光ではなく人工の光で植物を育てる工場で、栄養分が溶かされた水耕栽培で2種類の葉物野菜を育てています。
人工光
栄養分が溶かされた水
ベビーリーフは、15~17日で収穫でき、年間1万200パック。リーフレタスは約35日で収穫し、年間13万株生産しています。
ベビーリーフ
リーフレタス
工場内では、無菌作業服を着て作業し閉鎖空間にすることで、菌が入らないようにしています。
無菌状態で育てているので洗わずに食べることができます。
現在、広島市内のデパート(広島三越・広島そごう)やJAとれたて元気市、庄原市内の店舗で販売しています。
作業風景
リーフレタス商品
人工光植物工場で、去年新たな研究が始まりました。
「アクアポニックス」と呼ばれる魚の排泄物を利用した野菜の生産方法のひとつで、ナマズを使って研究をしています。
備北地域ならではのインパクトのある魚を使うため、大学内の先生が飼育していたナマズを使うことにしました。
まだ研究段階で、菌が少ない状態の閉鎖型植物工場で使うためには、ナマズを飼育する水の菌をどれだけ少なくできるかが課題になっています。
ナマズの飼育水槽
ナマズ
人工光植物工場は、暑い時期でも冷涼な環境を好むレタスなどが1年間通して収穫できます。
今後、気候変動に左右されることなく屋内で野菜を作ることができます。
今回、お話を聞いた県立広島大学 生物資源科学部地域資源開発学科の甲村浩之学科長は、「得られた成果を還元していきたい」と今後の抱負を語りました。
人工光植物工場
甲村学科長
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2023年5月17日放送)