湿原回復のバロメーターはサンショウウオ?|地球派宣言
2023.05.11
広島県北広島町で行われたサンショウウオの調査。
実は、サンショウウオが自然回復のバロメーターとなる存在なんです。
サンショウウオ産卵調査
サンショウウオの卵
広島県の北部、北広島町にある霧ヶ谷湿原。
臥竜山など1,000m級の山々に囲まれた場所にあります。
4月29日「サンショウウオの産卵調査」が行われました。
西中国山地自然史研究会のメンバーを中心に30名が参加。
この調査で、どれだけ湿原の自然が取り戻されているのかを知ることができるそうです。
調査する場所は、湿原の周りにある森の中。
霧ヶ谷湿原
森の中で調査
サンショウウオの卵があるのは、水の流れがゆるい場所にある葉や木の根の下。
葉っぱをひっくり返すと…。
サンショウウオの卵を発見。
水の流れがゆるい場所
サンショウウオの卵
調査していたのは「イワミサンショウウオの卵」。
春先から湿地に埋めつけていたものです。今回、19の卵を確認できました。
「イワミサンショウウオ」は、大人になっても大きさは10cmほど。
そのため、水の流れがある場所では、魚の餌になるため多くは、ミズゴケが生えている湿原の陸地に生息しています。
イワミサンショウウオ
自然再生事業を行っている霧ヶ谷湿原は、元々湿原だった場所が1960年頃に牧場となり、乾いた土地へと変わりました。
その場所に、元々あった自然の湿地を取り戻すために自然再生事業が行われています。
「イワミサンショウウオ」がこの湿原に戻ってくれば、自然が再生された目安になると言います。
広島県の野生生物保護推進員の内藤さんは、調査を行い自然に触れることで自然環境を考えるきっかけにして欲しいそうです。
再生している湿原
野生生物保護推進員の内藤順一さん
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2023年5月10日放送)