皆大好きなおやつの定番ドーナツ。

今「第5次ドーナツブーム」到来中だとご存じでしょうか？

 

 

そもそも今まで4回もブームがあったのか、と思われるかもしれません。

過去4度のブームは次のとおり。

1970年代の「ミスタードーナツ」、「ダンキンドーナツ」の日本上陸に始まり、2003年のミスタードーナツ「ポン・デ・リング」大ヒットによるブーム、2006年の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の日本上陸、そして2013年の「クロワッサンドーナツ」の世界的流行が全国で注目されブームとなりました。

ポン・デ・リングは今も変わらない人気ですし、クリスピー・クリーム・ドーナツやクロワッサンドーナツはまだ記憶に新しいですよね。

 

第5次ブームが到来したワケとは？

 

ドーナツの年別売上高を見ると、ここ数年右肩上がりになっているのがわかります。

実際、どの程度の人気なのでしょうか？

 

 

訪れたのは、広島県竹原市田万里町にある「田万里家 RICE DONUT」。

2023年2月にオープンしたばかりの米粉ドーナツ専門店です。

 

 

 

ここには、手づくりドーナツの味を求めて開店前からかなりの行列が……！

人気の度合いがよくわかりますね。

 

 

お店に行列ができるほどのドーナツ人気のワケを、年間500種類以上を食べるドーナツマニアのドーナツ探求家・溝呂木一美さんにうかがいました。

溝呂木さん「2021年に大流行したマリトッツォを引き継ぐ形で、ボンボローニとマラサダというドーナツが登場しました。クリームたっぷりのドーナツが人気になっています」

 

人気の火付け役！「ボンボローニ」

 

第5次ドーナツブームの火付け役となったドーナツを2022年から販売しているのが、広島県福山市南蔵王町にある「パンとスイーツのお店 スイーツラボミルク」です。

 

 

こちらがうわさの「ボンボローニ」と呼ばれるドーナツです。

 

 

オーナーパティシエの園尾さんによると、「ボンボローニはイタリアの朝食で食べられているドーナツです。エスプレッソと一緒に生ドーナツを食べるという感じで、たっぷりのクリームが入っているのが特徴」とのこと。

ボンボローニは発酵させた生地を油で揚げ、クリームをたっぷり入れたイタリア生まれのドーナツ。

「パンとスイーツのお店 スイーツラボミルク」では、土・日限定で1日200個を販売しています。

広島市内からうわさを聞きつけてお店を訪れるお客さんもいるそうです。

 

 

ご覧のとおり、ドーナツを割ってみるとクリームがあふれ出します……！

 

生みたいな食感の「生ドーナツ」

 

続いて訪れたのは、広島市東区牛田本町にある「自家製天然酵母のパンのお店 ブーランジェリー ラネージュ」。

ここにもドーナツブームで注目されているものがあるんです。

 

 

それがこちら「生ドーナツ」です。

このお店では生ドーナツを金・土・日限定で販売（金／30個、土・日／50個）していて、お昼には完売してしまうこともあるそうです。

生ドーナツはパンとドーナツを足して2で割ったような、もちもちとした不思議な食感。

普通のドーナツと違うのは生地づくりです。

 

 

オーナーシェフの水戸さんは、「生ドーナツの生地は24時間以上低温発酵で熟成させるので、水分量とバターの量がかなり多く、普通のドーナツと比べると「しっとり」、「ふわふわ」、「軽い」という特徴がある」といいます。

溝呂木さんによると、生地本来のおいしさが味わえるこの生ドーナツがブレークしたきっかけは、2022年3月に東京の中目黒にオープンした「I’m donut ?（アイム ドーナツ？）」というドーナツ専門店で発売された生ドーナツだそう。

保水性が高く生っぽさのある生ドーナツが、ドーナツブームをさらに加速させたようです。

 

カフェやベーカリーにもドーナツが登場

さらに溝呂木さんは、「今までのドーナツブームと異なるのは、カフェやベーカリー、その他飲食店でもドーナツを扱うお店が増えた」といいます。

ドーナツブームとは別に続くカフェ人気で、コーヒーとドーナツを楽しむ文化が根付いていくなど、ドーナツファンの裾野を広げることにつながったのが今回の第5次ドーナツブームの特徴だと分析されました。

今回紹介したドーナツ以外にもさまざまな新しいドーナツが次々と登場しているので、ブームの今をぜひ楽しんでみてくださいね。

 

広島ホームテレビ『ピタニュー』（2023年4月19日放送）

ライター　東滋実