【異次元の少子化対策】具体的な案は?子育てにかかるお金と共に解説します

“異次元の少子化対策”が話題になっている今、政府が掲げる少子化対策案と、子育てにかかるお金について解説します。

 

【児童手当の拡充に対する多子世帯の本音】

異次元の少子化対策の一つとして掲げられている「児童手当の拡充」。

第1子15,000円、第2子30,000円、第3子60,000円の給付が自民党案となっています。

 

給付金額の変更以外にも、給付期間の延長などが検討されている

 

この案について、3人以上の子どもを育てている母親たちに話を聞いてみました。

 

「3人目から60,000円は大きいけれど、それで3人目を産むかと言われたら、それは違うよね、と。お金給付よりも、保育園や職場などの子育てしやすい環境を作って欲しい」。

「児童手当が上がっても税金が上がると意味がない」。

 

異次元の少子化対策も、財源の出どころや内容によっては、得策にも愚策にもなりえます。

 

 

【子どもの教育費に不安を感じる声】

また、子育てにかかるお金の不安に、「教育費」をあげる声も多い印象。

 

「教育費が一切かからないという国は魅力的ですよね。奨学金をもらって大学に行ったパパママが多いので、普段の生活をしながら奨学金の返済をしなくてはならない、というのが負担になっている」。

 

実際に、子ども1人あたりの教育費に約3,000万円かかるというデータもあります。小学校から大学まですべて私立学校に進学すると、さらに費用が増えると言われています。

 

ピタニュー 子ども1人あたりの教育費

 

こうした経済的な理由で、”2人目の壁”を感じると思っている夫婦は約7割も。

 

ピタニュー 「『2人目の壁』は実際に存在すると思いますか?」アンケート結果

 

 

【多子世帯だからこその家族の絆】

一方、多子世帯ならではのポジティブな意見も。

4人の子育てに奮闘している小島知里さんは「1人2人で手一杯なのに、どうやって4人も面倒見るの?なんて言われるんですけど(笑)兄弟同士で面倒を見てくれたりするので。お兄ちゃんが弟の服を着せてくれたり。負担は2人も4人もそこまで変わらないです」と語ります。

「兄妹が多いからこそ、自分たちがやらないといけないという意識が芽生えるようで。家族の絆は深まりますし、幸せ度は増している気がします」。

 

 

【出産費用の保険適用について】

政府が打ち出す少子化対策の一つに「出産費用の保険適用」があります。出産育児一時金は今年の4月から8万円増額の50万円に変更されています。

 

ピタニュー 政府が検討している出産費用の保険適用について

 

一方、出産費用は、年々約1%ずつ上昇しています。出産育児一時金の増額に合わせた便乗値上げという言葉も話題となりました。

 

ピタニュー 出産費用の推移

 

出産費用について、広島市内にある「中川産婦人科」の中川院長にお話をうかがいました。

「少子化対策のための一時金値上げなので、当院では出産費用は据え置きとしております。ただ、医療資材や光熱費などが値上げされており、いずれは出産費用について検討しなければいけないかもしれません」。

政府の打ち出している少子化対策について、産婦人科医はどう考えているのでしょうか?

「今回の一時金の増額だけで出生率が増加するとは考えていません。少子化対策への予算というのは、次世代への投資と考え、優先して行う政策だと考えています」。

 

国の未来を大きく左右する少子化対策。子育て世代や子どもたちが希望を持てるよう、政府任せにするのではなく、国民一人一人が考え、意見を出し合うことが求められています。

 

広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年4月19日放送)

ライター:神原知里

 

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