【カープ】ムードメーカー上本崇司選手 “涙のさよならヒット”について語る
「途中からは嫌!最初から出たい」と来季の抱負を語るのは上本 崇司(うえもと たかし)選手。
「ここ数年、代走や守備固めの出場が多いが、歳を重ねて野球をやる以上は先発で出てプレーしたいという思いが芽生えてきた」と言う。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、カープのムードメーカーとして知られる上本選手がスタジオ生出演。生放送のスタジオも初。
今季の成績もキャリアハイが多く、初物尽くしとなった今シーズンを振り返った。
上本選手は地元広島県の福山市出身。高校は名門・広陵高校。明治大学を経て、2012年のドラフト3位でカープ入団。今シーズンプロ8年目。節目の30歳を迎えた。
いつも明るく、周りを爆笑の渦に巻き込むムードメーカー的存在だが、取材陣の印象は“真面目で礼儀正しいジェントルマン”。
上本選手は「もともとムードメーカーのようなタイプではないが、負けている時はベンチが沈んでいるので、そこで盛り上げて勝ちにつなげていけたらいいなと思う」と、サービス精神ゆえの振る舞いだと打ち明ける。
上本選手といえば、どこでも守れる万能選手。今季のポジション別出場数を見ると、セカンド20、ショート12、サード10、レフト2、センター1、ライト4と、ファーストとピッチャー、キャッチャー以外全てのポジションにつく。
8年目の今シーズンの成績は、先発として14試合出場、打席62、安打11、打点4と全て自己最多の数字を叩き出した。
しかし「普通に考えると、これでキャリアハイというのが恥かしい。全然ダメ」だと自らを戒める。
また上本選手の今シーズンは初物尽くしだった。
『シーズンを通しての一軍完走』
『猛打賞』
『シーズン2ケタ安打』
『サヨナラ打&単独お立ち台』
「守備・走塁だけ良くでも試合にはあまり出られないと気づき、とにかく結果を出そうと春のキャンプから打撃に集中した」と話す上本選手。
記憶に残る“涙のサヨナラヒット“(8月28日の阪神戦)にも言及し、「守備でとんでもないプレーをしてしまって同点に追いつかれ、森下(暢仁投手)の勝ちを消してしまったという思いが強かった。9回のウラ、1アウト1・2塁のサヨナラの場面に回ってきたので、思い切って振った」と振り返り、「外野手が前に出てきていたのでオーバーするくらいの気持ちで」と冷静にバッターボックスに立っていたことも明かす。
「試合に出られるなら、どのポジションでも」と目を輝かせるカープきってのユーティリティープレーヤー。来シーズンは上本選手がスタメン出場する試合を数多く見たいものだ。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 2020年12月19日放送
ライター 湯谷葉子