タチウオの名前の由来とは?さかなのおにいさん川田さんが解説|地球派宣言
月に一度、さかなのおにいさんこと川田一輝(かわた・かずき)さんが魚の生態について解説するコーナー。
今回は宮島水族館で刀のような美しいタチウオについて教えてもらいました。
宮島水族館のタチウオ
タチウオは深海にも生息しており、光に敏感なため、水槽から少し離れた場所で解説。
説明をする川田さん
ここからは、タチウオの名前の由来などをイラストを使って説明してもらいます。
タチウオには、ある怖い別名があるそうなのですが、みなさんは知っていますか?
イラスト:川田さん
その別名とは、「ユウレイウオ」。
イラスト:川田さん
なぜそのように呼ばれるようになったのか。
それは、昔、漁師が使っていたレーダーから急に姿を消していたから。
イラスト:川田さん
では、どのようにして、姿を消していたのでしょうか?
その謎を紐解くカギは、タチウオの泳ぎ方にありました。
宮島水族館のタチウオ
昔のレーダーは、上の方(水面の方)から当てていました。
そうすると、普通の魚たちは横向きで泳ぐので反応します。
しかし、タチウオは立ち泳ぎをするため、影が映らず、姿を消したように見えたそうです。
その立って泳ぐ姿から、「立ち魚(タチウオ)」と名付けられたんだそう。
立って泳ぎ、背中を見せることで敵から身を隠せるという特技もあるんだとか。
イラスト:川田さん
他にもタチウオの名前の由来として、銀色の体で立ち泳ぎをする様子が、刀の太刀に似ていることから、「太刀魚(タチウオ)」と名付けられた説もあるそうです。
宮島水族館のタチウオ
では、ここでタチウオに関するクイズです。
刀のような美しい銀色の体をしているタチウオ。
その表面は、うろこではなく「グアニン質」というもので覆われています。
このグアニン質が昔ある物に使われていたのですが、それは一体なんでしょうか?
正解は「マニキュアのラメ」。
そのほかにも、模造真珠の原料としても使われていたんだそうです。
イラスト:川田さん
私たちの生活にとても身近な存在のタチウオですが、その数は減少しているそうです。
そのタチウオを守っていくために私たちに必要なのは、「海を大切に思う気持ち」。
そして、タチウオだけでなく、身近な魚を食べることだと川田さんは言います。
身近な魚を食べることで、漁師の生活も繋いでいくことができる。
そういう意味でも、身近な魚を食べるという行為は、私たちにとって欠かせないことの一つでもあります。
説明する川田さん