福山大学が取り組む「しまなみテッポウギスプロジェクト」|地球派宣言
2023.02.24
福山大学の因島キャンパスで行われている、シロギスの養殖プロジェクトが注目を集めています。
福山大学因島キャンパス
水槽のなかのシロギス
釣り人にはお馴染みのシロギス。
25cmを超える大きなものは、テッポウギスと呼ばれ、より高い価格で取引されています。
その価値は、通常の3倍以上です。
そこで8年前、全国で初めてとなる、25cm超えのシロギスを養殖する「しまなみテッポウギスプロジェクト」が始まりました。
福山大学海洋生物科学科 有瀧真人(ありたき・まさと)教授
目指すのは、人工で孵化(ふか)した稚魚を親まで育て、そこからさらに次の世代を生み出していく、完全養殖の技術です。
シロギスの卵
人工ふ化したシロギス
魚の特性を知ることから始め、どんなエサをあげるか、どのタイミングであげるかなど、繰り返し実験をしてきました。
シロギスにエサをやる学生
おとなしいイメージのあるシロギスですが、稚魚の頃は、どう猛で共食いをします。
大きな魚が小さい魚を食べるので、成長をバラつきなく、均一に育てることがポイントになるといいます。
均一に育てられたシロギス
おととしから試験的に出荷してきましたが、来年度はついに市場へ「本格的に出荷」します。
天然ものが出回る夏以外の時期に、養殖した魚を出荷していく予定です。
水槽のなかのシロギス
福山大学の有瀧さんは、「水産業界は安定的に魚が獲れず、疲弊してしまっている。全てが養殖にとって変わるとは思わないが、養殖シロギスを大量に安定的に提供することを目標にプロジェクトを進めている」と話しています。
プロジェクトの目標について語る有瀧教授