広島県三次市に飛来!世界で5,000羽しかいない天然記念物オオワシを守れ|地球派宣言
国の天然記念物のオオワシが広島に飛来していることを皆さんご存じでしょうか?
広島県三次市にある人口湿地、灰塚ダム・知和(ちわ)ウェットランドで、2022年1月に初めて姿が確認され、この冬も再びやって来ました。
2022年12月に撮影されたオオワシ
知和ウェットランド
「空の王者」ともいわれる、威風堂々としたオオワシの姿をカメラに収めようと、多くの野鳥愛好家が訪れていました。
野鳥愛好家の皆さん
オオワシは、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類となっています。
知和ウェットランドの新堂雅彦(しんどう・まさひこ)館長によると、世界で約5,000羽しかいないということ。
オホーツク海沿岸を中心に生息していますが、そのうちの約1,700羽が、冬の間だけ日本列島にやってくるそうです。
日本での主な越冬地は北海道といわれているなか、わざわざ三次の灰塚ダムにやってきたのは、餌である淡水魚が豊富なこと、そして安全な環境が理由だと考えられています。
知和ウェットランド 新堂雅彦館長
新堂館長はオオワシが今後も安心して過ごせるように、2つの取組みを新たに始めました。
1つ目が観察ルールの設定です。
オオワシを驚かさないように「150m以上離れて観察する」という、ウェットランド独自の決まりを設けました。
オオワシ観察ルール
そして2つ目が「オオワシ写真展」の開催です。
写真を通じてオオワシへの関心を高め、保護の大切さを知ってもらうのが狙いだそうです。
オオワシ写真展
オオワシの寿命はおよそ30年。今回飛来したオオワシはまだ3歳くらいなので、灰塚ダムを気に入ってくれれば、来年以降も飛んで来てくれる。
と新堂館長は語ります。
この日、撮影開始から6時間たった頃、取材班の前に姿を現したオオワシ。
ウェットランドの上空を飛んだあと、1km先の木にとまってくつろいでいました。
やっと姿を見せてくれたオオワシ
2月下旬にはオホーツクへと帰っていくオオワシ。
三次が第2のふるさとになるよう、ルールを守りながら温かく見守っていきたいですね。