焼きそばというと、家庭で手軽に作れるメニューというイメージがありませんか？実はお店でしか食べられない焼きそばを提供する「焼きそば屋さん」が広島県福山市にあります。今回は、唯一無二の「焼きそば屋さん」備後やきそば本舗 やまもと商店（以下やまもと商店）に伺い「備後焼きそば」の誕生秘話をお聞きしてきました。さらにやまもと商店の人気メニュー1位と2位をいただいてきたのでご紹介します。

 

アクセス

やまもと商店は、福山バラ公園から約400mのところにあります。店舗が面する道路の見通しは良好で、どちらの車線からも駐車場に入りやすい立地です。

所在地：広島県福山市多治米町1丁目10-7

備後焼きそば本舗 やまもと商店　外観

 

店内の様子

入口から入って右側に厨房があり、オーナーの山本さんが焼きそばを焼く姿がパッと目に入ります。厨房と対面の位置にカウンター席があります。

店内はテーブル席がメインです。

お店の奥にはお座敷もあります。

 

備後焼きそばとは？

店内にある製麺室で丁寧に作り上げた「極太自家製麺」を鉄板で焼き上げ、牡蠣の旨味溢れる「ぶちうまソース」を絶妙に絡み合わせてできた焼きそばが『備後焼きそば』です。自家製麺にはもち麦の粉が入っており、鉄板の上で焼き上げることで外側はカリカリ＆中はモチモチという新食感を生み出します。見た目はうどんに近い極太の生麺を茹でて焼くというひと手間を加えた、家庭では簡単に食べられない焼きそばです。

 

やまもと商店の人気メニュー1位「ぶちたま！定食」

ぶちたま！定食 1,078円（税込）

「ぶちたま！定食」は、備後焼きそば・もち麦ご飯・味噌汁・卵・つけもののセットです。熱々の鉄板上の焼きそばから出る湯気とソースのいい香りが食欲をそそります。

溶き卵をもち麦ご飯にかけて、お好きな薬味と醤油を垂らしていただきます。卵かけご飯の卵や、油めしの目玉焼きには岡山県笠岡市のうねめファームの「もみじ卵」が使用されています。実はオーナーの山本さんは生卵が苦手で、当初はメニューから卵を外す案もあったそうです。さまざまな卵を試食する中でうねめファームの「もみじ卵」と出会い、卵かけご飯が食べられるようになったとのこと。筆者も卵かけご飯が苦手でしたが、実際に食べてみるととてもマイルドな味わいで食べやすいと感じました。

焼きそばの麺は、やまもと商店オリジナルの極太麺です。見た目はうどんに近く、具材は、麺・キャベツ・豚肉で構成されており、いたってシンプルです。鉄板に触れて焼きの入っている部分は特にカリカリしていて、噛むとモチモチな食感を楽しめるのでとても食べ応えがありました。

 

やまもと商店の人気メニュー2位「油めし！定食」

油めし！定食 1,078円（税込）

「油めし！定食」は、備後焼きそば・油めし・味噌汁・卵・つけもののセットです。油めしは、豚の背脂に十数種類の香味野菜とスパイスを加えて煮だした油と特性醤油ダレをかけたご飯です。

油めしの上に乗せられた半熟目玉焼きを崩して、底からしっかり混ぜて食べるのがおすすめの食べ方とのこと。油めしには油と醤油ダレの味がしっかりついていて、卵と混ぜることで口の中にうまみが広がりました。

各席には醤油・ソース・青のり・紅生姜・削り節などが揃っており、お好みで味を変えられます。今回は何もかけませんでしたが、そのままでもおいしくいただけました。テーブルの薬味に加えて、以下のトッピングも追加できます。

「目玉焼き」「温泉玉子」「生たまご」「やまかけ」「チーズ」「ねぎ」からお好みで選べます。（こちらは有料です。）

 

メニュー表

今回ご紹介した「ぶちたま！定食」と「油めし！定食」は、備後焼きそばとごはん（中）のセットとなっており、がっつり食べたい方にはピッタリです。焼きそばは「小・並・特」で麺の量を調整可能ですが、ごはんは中のみとなります。ごはんの量を調整したい方は、メニュー表右側の「おにぎり！定食」や「ぶちうま！定食」もおすすめです。

お店のメニューは、オーナーの山本さんがおいしいと思う物&食べたいと思う物で構成されています。おつまみやサラダ、焼きそば以外の定食もあり楽しみ方はさまざまです。

こちらは季節によって変わるメニュー表です。2023年1月現在のオススメメニューは「広島県産カキフライ」でした。

現在、メニュー表を改定中であり今年の春ごろにはリニューアル予定とのことでした。トッピングの価格を、今よりもお得に設定するかも？との情報をいただきました。メインメニューは変更しないとのことでしたのでご安心ください。

 

やまもと商店の歴史

やまもと商店は2008年に福山競馬場にてオープン。焼きそば・ラーメン・うどん・天ぷら・おでんといったメニューを提供する食堂だったそうです。2013年に福山競馬場の廃止が決定し、食堂は閉めることになりました。それを機に現オーナーの山本さんが「焼きそば屋さん」を作ることを思い立ち、現在の場所にやまもと商店を開いたとのこと。やまもと商店は今年で15周年になります。

 

「焼きそば屋さんにしよう」と決めたのは、食堂で焼きそばが人気だったことと「焼きそば屋さん」はどこにもなく面白いかなと思ったのがきっかけだそうです。オーナーの山本さんは、元々は家業を継ぐ気はなく、調理師学校を出たあとフランス料理の道に進まれていました。しかしライフステージに合わせて家業のやまもと商店を手伝うことに。福山競馬場廃止に伴う閉店を機に、ご自身の店を構えることとなりました。

 

「焼きそば屋さん」開店に向け、麺については特に試行錯誤を繰り返し、現在のもち麦入りの麺にたどり着いたとのこと。「家庭で作れない焼きそば」かつ「自分が食べたい理想の焼きそば」を作り上げ、現在では「焼きそばセット」や「ぶちうまソース」といった商品化を実現されています。

競馬場時代のやまもと商店から引き継がれているメニューにおでんがあります。レシピには手を加えてあり全く同じものではないとのことですが、食堂時代の名残をとどめています。

 

こだわりの製麺室

やまもと商店ならでは「極太自家製麺」は、店内の一角にあるこちらの製麺室で1つずつ作られています。

製麺機を稼働させて…

できあがった生麺はケースで管理されていました。フードロスがなるべく出ないよう材料を調整されており、売り切れる日もあるそうです。

 

お持ち帰りメニューあり

お持ち帰りメニューでは、備後焼きそば（小・並・特）だけでなくトッピング（卵やネギなど）も選べます。さらに、おでん・おつまみ・サラダ・ご飯などが電話1本でお持ち帰り可能です。

持ち帰りメニューの詳細はこちら

 

お家でも【備後焼きそば】を食べられる

レジ横スペースにて「ぶちうまソース」「焼きそばセット」「もち麦」の販売を行っています。ネット通販でも購入できます。

やまもと商店のネット通販はこちら

ぶちうまソースは、焼きそばだけでなくコロッケやハンバーグなど何にかけても合います。備後焼きそばのセット内容は、乾麺とぶちうまソースのみというシンプルなスタイルです。備後焼きそばセットについてオーナーの山本さんに伺うと、麺とソースのみでもおいしく食べられますが、お好みの具材を入れて作って欲しいとのことでした。

 

余談ですが、やまもと商店のネット通販の発送はオーナーの山本さんが担当されており宛名は1枚1枚手書きです。筆者がネット通販で焼きそばセットを購入してから取材に臨んだところ、名刺交換時に「注文してくれましたよね？」と気づいてくださいました。

 

今後の展望

やまもと商店のオーナー山本啓文さんに、今後の展望についてお伺いしました。まず第一に、やまもと商店の焼きそばを「大好き」といってくれるお客さんのためにがんばりたいとのこと。備後焼きそばにはもち麦入りの自家製麺を使用しており、どうしても食感的な部分で好き嫌いが分かれてしまうそうです。今後も、シンプルイズザベストで作り上げたお店に来ないと食べられない「焼きそば」を提供し続けたいと話してくださいました。

 

店舗情報

 

店名	やまもと商店
所在地	〒720-0824 広島県福山市多治米町1丁目10-7
営業時間	昼/平日11:00～14:00,土日祝11:00～15:00 夜/平日17:30～21:00,土日祝17:00～21:00
定休日	火曜日
TEL	084-971-8999
FAX	084-954-7570
ホームページ	https://bingoyakisoba.com/
メールアドレス	info@bingoyakisoba.com

 

材料があれば家庭で簡単に作れる焼きそばですが、やまもと商店の「焼きそば」は一味違います。お店に行かないと食べられない「備後焼きそば」を、ぜひ1度ご賞味ください。

 

※この記事の情報は2023年1月時点のものです。情報は変更になる場合があります。

ライター/林 詠美子