新監督、後輩を思いやるカープ上本崇司 腹を括ったプロ11年目への思いとは?

「いつクビになってもいいと思っている」と明かすのは、腹を括ってやりたい事(バッティング)に力を入れようと意識を変えたカープ上本崇司選手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、プロ11年目の上本選手をフカボリ。後輩を引き連れて臨む自主トレや、今年にかける思いに迫る。

※データはすべて1月21日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略

上本崇司選手 上本崇司選手

昨シーズン、自己最多となる94試合に出場。打率.307。プロ入り初HRを放つなど、打撃部門ではキャリアハイの成績を残した上本。だが、昨年12月の契約更改の会見では、「僕自身、これ以上伸びるところがないので」という言葉を残した。その真意は「自分の技量とか実力って自分が一番わかると思う。自分の体なんで。技術で無理ならば、とにかくケガをしないように、常に一軍にいられる体づくりが大切だったりした」と明かす。

 

また、「打席を多くもらえることが増えたので、技術の向上よりかは頭を使うこと。相手のピッチャーの傾向や配球を勉強して、ああいう成績に繋がったのではないか」と分析する。さらには、「数年前から、現役生活はもう長くないと思ったので、守備や走塁を捨ててでも、自分のやりたいバッティングをがんばってやってみようかなと思った」と言う。それがダメなら潔く野球をやめようとまで腹を括っているようだ。

2月1日のキャンプインを100%の力で迎えることができるように、地元の福山市で自主トレをスタートさせた上本。そこに広陵高校の後輩、中村奨成を誘った。「奨成は持っているものが僕とは格段に違う。ここで終わるような選手でないと、個人的にもまわりの方々も思っているので、僕の自主トレに来て正解かはわからないが、何か一つでもきっかけを作ってもらって、今シーズンに繋げて良いことがあればいいと思って連れてこようかなと思った」と、迷走する後輩を気遣う上本。

年末から一緒にトレーニングを続けてきたというが、「まだまだ甘い。良いものを持っているのに本来の実力を出せてないなという印象と、自覚が足りないのかなと思う。もったいない」と、その能力を認めているからこそ厳しい言葉も出るが、反面アドバイスもしっかり行っている。

 

中村は「崇司さんって、見てないようで見てくださっている。フォームを見て、それに対しての気づきを言ってくださるので、“確かに”と思うことが多い」と感謝の気持ちを口にする。2年前にマツダスタジアムでDeNAの今永昇太からバックスクリーンへ放ったHRの打ち方が一番良いのでは、とも言われたという。「先輩自らティーを投げて下さった。そういうのって当たり前にできる先輩ってなかなかいないと思う。今までとは違う成績を出して、崇司さんが一緒にやって良かったと思えるシーズンにできたら最高じゃないかなと思う」と、恩返しを誓う。

 

いよいよ2月からは、新生・新井カープが2023年シーズンに向けて本格始動する。上本は「どんな野球をするのか、どんな練習をするのか、すごく楽しみ。毎年キャンプは憂鬱になるが、逆に今キャンプはワクワクする」と、待ち遠しい様子。「みんな優勝したいし、日本一にもなりたいが、そうは簡単じゃない。とにかくチーム一人一人が同じ方向を向いてやらないと絶対に無理だと思う。新井さんも監督1年目でプレッシャーがかかっていると思うので、新井さんが求める野球を選手の僕たちがやって、新井さんを男にできるように。そうみんな思っている」と、力を込めた。

 

広島ホームテレビ
ひろしま深掘りライブ フロントドア(土曜13:00)1月21日放送

ライター 湯谷葉子

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